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オーチャード ポポー

トロピカルフルーツのように濃厚な香りを放ち、甘くてやわらかな舌触りのポポー。寒さに弱いイメージをもたれがちですが、マイナス20℃ほどまで耐えます。青果店にはあまり出回らないポポーの栽培に、ぜひチャレンジしてみてください。

栽培しないと食べられない
幻の果物
受粉樹の用意と
人工授粉がポイント

「バナナとマンゴーをミックスしたような味」と表現されることも多いポポー。芳醇ほうじゅんな香りと濃厚な甘み、とろけるような食感が特徴的な果物です。傷みやすくて日もちしにくく、果物として流通することは少ないため、栽培しない限りはなかなか食べることができません。トロピカルフルーツに多いバンレイシ科の果樹ですが、北米原産の温帯果樹のため、耐寒性が強くて国内でも広く栽培できます。

栽培時に最も注意すべきなのが人工授粉です。雌しべと雄しべの成熟期がずれるので、家庭で栽培すると実つきが悪くなる傾向にあります。【年間の管理・作業】を参考にしながら、開花時に人の手で授粉します。実つきを安定させるためには、受粉樹を準備することもお忘れなく。枝葉の生育が盛んで高木になりやすいので、剪定も重要です。毎年のように剪定して、樹をコンパクトな状態に維持しましょう。

鉢栽培にしても収穫を楽しめる。風に揺れる軽やかな葉が特徴的。

年間の管理・作業

開花・人工授粉(4〜5月)

花は釣鐘状で大きく、花弁は赤紫色をしていて、1個の花の中に雌しべと雄しべがある両性花です。

ポポーの花。赤紫色の豪華な花を咲かせて、ミツバチなどにアピールしている。

同じ花の中にある雌しべの方が雄しべよりも早く成熟するため、同じ花の中で受粉することはほとんどありません。そのため、ミツバチなどの昆虫が少ない環境では、実つきが悪くなる場合があります。家庭では人工授粉をして、確実性を高めるとよいでしょう。

開花直後(右)と開花3日後(左)の花。雌しべは開花直後、雄しべは開花3日後に人工授粉に適した状態になる。

人工授粉の具体的な方法は次の通りです。まず、花弁の中の状態を確認して、花粉が出ている状態の雄しべ(開花3日後程度)を選んで摘み取り、赤紫色の花弁を取り除きます。次に、花粉が出ていない開花直後の花の雌しべの先端にこすりつけます。ポポーは自身の花粉では実つきが悪くなることがあるので、花粉をつける際には異なる品種の花に授粉させるとよいでしょう。ただし、自身の花粉で結実することもあります。一つ目の品種の人工授粉が終わったら、もう一方の品種にも授粉します。

1花で30花くらいを人工授粉できる。

摘果(6月)

受粉・受精が成功した花は、1カ所に2〜7個程度の果実がつきます。すべて残すと品質が低下するので、1カ所に1〜2果残してほかの果実はハサミで切り取ります。

3果から2果に間引いている様子。

収穫(9〜10月)

果実が濃い緑色をした未熟な状態から黄緑色〜黄色に色づき、少しやわらかくなったら収穫適期です。落果し始めるのも収穫適期の目安になります。樹上についた果実や落ちた果実を収穫します。

落ちた果実でも、傷や腐敗がなければ収穫して食べられる。

果実がかたい場合は、2〜7日程度、室内の日陰に放置して追熟させるとおいしく食べられます。果皮をむき、中のタネを避けて果肉だけを食べます。

果肉には芳醇な香りがあり、クリーミーで濃厚な甘みを楽しめる。

気をつけたい害虫

カイガラムシ類

数種のカイガラムシ類が枝葉を加害する。果実や枝葉が黒く汚れる原因になることもある(すす病)。見つけ次第、歯ブラシなどでこすり取る。

ハマキムシ類

枝の先端付近の若い葉が丸まって、生育が阻害される。内部は白い糸でつづられているのが特徴。見つけ次第、内部の幼虫やさなぎを捕殺する。

アブラムシ類

数種のアブラムシ類が枝の先端付近や花に発生して、吸汁きゅうじゅうする。カイガラムシ類と同じく、すす病の原因にもなる。見つけ次第、捕殺する。

ナメクジ類

花や葉が網目状に食べられる。周囲に白い粘液の痕跡が残るのが特徴。主に夜や早朝に活動する。周囲の隠れ場所を探して駆除する。

日常の管理

置き場所

日なたを特に好みます。鉢植えの場合、春〜秋はなるべく直射日光が長く当たる場所に置きましょう。病気には比較的強く、一年中雨の当たらない場所に置く必要はありませんが、開花期の4〜5月だけでも軒下などに置くと、花粉が雨で洗い流されることがなく、実つきが格段によくなります。

夏に暑すぎると落果しやすくなり、果実の腐敗を助長する恐れがあるので、風通しがよく、西日が当たらず夕方だけ日陰になるような場所であれば理想的です。ただし、一日中日陰になる場所に置くと光合成が妨げられて、実つきや果実肥大、糖度などに影響するので注意が必要です。

冬はマイナス20℃程度の低温に耐えるので、よほどの寒冷地でなければ屋外で越冬させます。

水やり

庭植えの場合、水やりは基本的には不要ですが、猛暑の7〜8月に2週間ほど降雨がなければ、樹の様子を見ながら水をたっぷりと与えましょう。

鉢植えでは、春と秋は2〜3日に1回、夏は毎日、冬は1週間に1回を目安とします。夏に水切れを起こして樹がしおれると、翌年の実つきにも悪影響を及ぼすことがあるので、注意が必要です。

肥料

肥料は、2月(油かすなど)、6月(化成肥料など)、10月(化成肥料など)の年間3回に分けて与えるのが一般的です。与える量は樹の大きさや肥料の種類によって調整します。

植え付け(11月~翌年3月)

落葉完了後から萌芽ほうが前までに植え付けを完了しましょう。異なる2品種以上の苗木を入手して、近くに植え付けます。1本の枝が棒状に伸びた1〜2年生の苗木を入手した場合は、株元から25〜50㎝程度の高さで切り詰めると、低樹高に仕立てやすくなります。

苗木を購入する際はラベルに品種名が明記されたものを選ぼう

ポポーは知名度の低い果樹のため、苗木の流通量がほかの果樹に比べて少ないのが現状です。そのせいか、国内の園芸店などでは果樹名である「ポポー」のみが記入されていて、ʻNC-1ʼやʻウィルソンʼといった品種名が明記されていない苗木をよく見かけます。しかし、実つきをよくするために異なる2品種以上の苗木を揃える必要があるうえ、品種によって性質が異なるので、品種名が分からないというのは大きなデメリットになります。ぜひともラベルに品種名が明記された苗木を入手するようにしましょう。

実つきをよりよくするには異なる2品種以上の苗木を準備する必要があるため、品種名が明記されたものを選ぶとよい。
栽培カレンダー

3ステップで覚える
ポポーの剪定

剪定適期は12月〜翌年2月です。ポポーの枝葉は生育が早く高木になりやすいので、なるべく若木のうちから樹の広がりを抑える剪定(ステップ1)をすることが重要です。毎年、必ず剪定をして樹をコンパクトな状態に保ちましょう。

樹の広がりを抑える

樹をコンパクトにする、もしくは現状維持する場合には、まずは何本かの枝をまとめて切り取ります。上方向だけでなく、横方向にも縮めると樹がコンパクトになります。切り残しのないように分岐部で切ることで、切り口から枯れ込みが入るのを防げます。植え付けたばかりで樹が幼木の場合、ステップ1は不要なので、ステップ2から始めます。

不要な枝を間引く

次に不要な枝を切り取ります。不要な枝とは、徒長枝と呼ばれる70㎝以上の長い枝や、同じ場所で何本も枝分かれしている枝、交差している枝、枯れ枝などです。ポポーでは枯れ枝が特に発生しやすい特性があります。切る際には不要な枝を切り残すことなく、付け根で切り取ることを心掛けます。ステップ1〜2で全体の6割程度の枝を切り取るのが目安です。

残った枝の先端を切り詰める

最後にステップ1〜2で残った枝のうち、30㎝以上の長い枝だけを選んで、先端を4分の1程度切り詰めます。枝を切り詰めることで適度な長さの枝が複数発生して、樹を若返らせることができます。花芽と葉芽に注目しながら切り詰めるとよいでしょう(POINT参照)。

花芽と葉芽を見分けて剪定する

12月〜翌年2月の枝についている芽のうち、丸くて大きいのが花芽、細くて小さいのが葉芽です。花芽からは花が咲いて、果実がつきます。葉芽からは枝が伸びて複数の葉がつきます。ステップ3では花芽の位置を確認しながら、葉芽が先端になる場所で切り詰めましょう。すると翌年以降も収穫量を確保しつつ、充実した枝を発生させることができます。

よくある失敗Q&A

Q植え付けから7年以上たちますが、まったく収穫できません。どうしてですか?
A受粉樹を植えて人工授粉を試しましょう。

まずは4〜5月に花が咲くか確認しましょう。植え付けから3年目以降でも咲いていなければ、①剪定での切りすぎ、②肥料の与えすぎ、③夏場の水切れが原因かもしれません。これらの項目を見直します。

花が咲いているのに結実しない場合は、【日常の管理】を参考に人工授粉を試します。苗木1本(1品種)しかない場合は、受粉樹として異なる品種の苗木を近くに植えることをおすすめします。受粉樹があって、人工授粉を正しく行っていれば、ほとんどの場合は結実して収穫を楽しめるはずです。

植え付けから7年が経過した庭植えのポポー(高さ約2ⅿ)。これくらいの株で収穫できなければ、人工授粉を試すとよい。

三輪みわ 正幸まさゆき

千葉大学助教。教育研究活動のほかに、家庭で果樹を気軽に楽しむ方法を提案している。『庭でも鉢でも育てられる 果樹の育て方』(新星出版社)など著書多数。

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