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タキイの栽培コンテンツ
もぎたて果樹園 オリーブ
おしゃれな店や、家庭の玄関先などでもよく見られるようになったオリーブの栽培についてお話ししましょう。ポイントをおさえて栽培すれば、夢のマイオリーブを収穫できますよ。
地中海の風を感じるオリーブ
2品種以上の混植で安定した結実
銀葉が風にそよぐ姿に魅せられて、最近は一般家庭の玄関先や庭の片隅に植える方も増えてきました。特にイタリアンレストランの外観を彩るのにぴったりの植物ともいえますね。ところが、残念ながら花は咲いても結実している姿をあまり見ることがありません。最も大きな原因は、単植では実がなりにくい性質なのに、他品種との混植がされていないためでしょう。しかし、2品種以上を混植することで結実も安定します。鉢植えでもしっかり木づくりをすれば、家庭でもマイオリーブの収穫が可能になります。
銀葉が美しいイスラエルの庭園中のオリーブ。
●良い苗を入手しましょう
信頼できる通信販売などで購入するのが簡単です。店頭での場合、自然樹形に仕立てられた鉢物であれば大苗でも大丈夫ですが、数年経過した1本の太い主枝がすでにでき上がって、小枝が多く発生したようなものでは、結実は見込めてもオリーブ特有のそよぎを感じるような樹形づくりは難しいといえます。小さくても、自然に伸びきって株元のしっかりした苗を選ぶとよいでしょう。
●品種の選び方
最近多くの品種が流通していますが、塩蔵用、搾油用など用途にあった品種を選びます。例えば"ミッション"は樹勢が強いので庭木としてよく用いられるのですが、果実の収穫を楽しむためにはおすすめとはいえません。表1を参考にされるのもよいでしょう。 また混植する2品種は、90cm以上の大きな長方形プランターであれば2本植えも可能ですが、できれば将来の植え替えに備えて8号鉢で育て始め、しっかりと木づくりをした後で、2年後に10号鉢に植え替えるようにするとよいでしょう。
表1 用途別品種
オイル | ・レッチーノ (ほのかなアーモンド香、繊細な味わい) ・フラントイオ (リンゴのようなフルーティーな感じ) ・マンザニロ (まろやかな軽さ、香りも控えめ。どんな料理にも合う) ・カラマタ (ナッツやコショウの芳香があり、さわやかな風味) ほか、ネバディロブランコ、ルッカなど |
塩漬け | ・ミッション ・マンザロニ ・アザバ ・バロウニ ・コロネウキ など |
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垣根 | ・ミッション ・ネバディロブランコ | ||
コンテナ | ・マンザニロ ・ネバディロブランコ | ||
シンボルツリー | ・ミッション ・ルッカ ・ネバディロブランコ |
栽培ポイント
オリーブは日当たりを好むので、できるだけ日によく当てます。温度の高すぎる室内で周年管理すると花芽がつかなくなるので、厳寒期を除いてできるだけ屋外で育てましょう。特に12月~1月に10℃以下にならないと、開花結実しません。
①植え付け用土
植え付け用土は、市販の培養土と赤玉土を同量混ぜたものに、苦土石灰を軽くひと握り加えて用います。
②水やり
植え付け後は、しっかり潅水します。乾燥に強いイメージのオリーブですが、鉢植えでは水を切らすと生育が停止するので、周年切らさないように注意します。
③剪定
温度さえあれば周年生長するので、植え付けから2年間は支柱を立て直立するように仕立てます。できれば1.5~2mほど伸ばし、それ以降は高くなりすぎた枝をノコギリを使って切り戻し、適当な高さを維持します。多く発生する小枝や徒長枝、弱った枝などは冬季に間引いて、どの枝にも日が当たるようにします。
●実のなり方
[利用の仕方]
加工はひと手間かかりますが、1.8~2%の苛性ソーダで果実の渋抜きをし、オイル漬けや塩漬けにすると美味です。酢漬けでピクルスにするのもよいでしょう。
ご家庭で、しゃれたオードブルやサラダ、おつまみにぜひ楽しんでください。
さまざまな種類のオリーブと、そのオイルが並ぶ海外のマーケット。
大森直樹
1958年生まれ。岡山大学自然科学研究科修士課程修了。岡山県赤磐市にて果樹種苗会社を営むかたわら、家庭園芸としての果樹栽培の研究を行っている。
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