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タマネギの基本情報

タマネギの写真
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学名
Allium cepa L.
和名
タマネギ
英名
Onion
原産地
中央アジア
分類
ヒガンバナ科ネギ属
上陸時期
明治以降

タマネギの住みやすい環境

発芽適温
15~20℃。また変温による効果は認められません。
生育適温
15℃前後の範囲でやや低温を好み、地上部は20℃前後、地下部は16℃前後が最適。寒さに強く、生育初期にはマイナス8℃程度の低温にも耐えますが、暑さに弱く、25℃以上になると生育は抑制されます。
玉の形成肥大の適温温
15~25℃の範囲にあり、日長時間は長日の方が生育は旺盛で玉の形成肥大にも強く影響しますが、玉形成の反応は品種により大きく異なり、品種の早晩生を分化させています。

タマネギとは(タマネギってどんな野菜?)

タマネギは元気のでるスタミナ源。
ハンバーグ、スープ、サラダと、タマネギは洋食に欠かせない食材です。戦後、日本人の食生活の洋風化に伴い、消費料は驚くほどの伸び、近年では和洋中ともに広く利用されています。タマネギは、ニンニクやニラほどではありませんが、特有の刺激臭があります。これは硫化アリルによるもので、ビタミンB1の体内での吸収を高め、B1の働きである疲労回復を助けます。またケルセチンという強い抗酸化作用を持つ成分も含んでいます。

タマネギとは(タマネギってどんな野菜?)
文部科学省『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』より

栽培手順 各ポイント

菜園向けタマネギ栽培カレンダー

栽培カレンダー

発芽

■発芽適温
15~20℃

発芽最適温度は20℃前後。適温であれば7日程度で発芽します。
寒さに強く、生育初期には-8℃程度の低温にも耐えますが、暑さに弱く、25℃以上になると生育は抑制されます。
肥大開始温度は極早生品種の10~13℃から晩生種の約20℃まで、幅広い温度差があります。

タマネギの発芽

[播種のタイミング]

播種時期は地域、品種により異なります。それぞれ種子袋に表示された播種適期を守りましょう。
適期より早まきすると大苗になり、抽苔・分球を起こしやすくなります。
反対に遅まきは小苗になり、越冬率が低下したり、球の肥大が悪くなったりします。
播種期のズレは収量低下につながるので注意が必要です。

[本州と北海道では品種が異なる]

タマネギは、主に日長(日の長さ)によって、肥大開始のスイッチが入ります。一般に本州のタマネギは、9月に種をまいて(秋まき)、11月に定植し、年内から春にかけてある程度の葉や根を作ってから、春になり日の長さに反応して肥大を開始します。肥大を開始する日長は、早生品種で12時間前後、中生品種で13時間前後、晩生品種で13.5時間前後です。北海道では、冬が大変寒いので越冬が難しく、一般に3月上旬にタネをまいて(春まき)、5月上旬に定植します。品種は、14~14.5時間程度の日長で肥大開始する長日系品種が使われます。北海道の品種を本州で使用すると、肥大開始が遅れ、梅雨時期の高温多湿条件で腐りやすくなります。また、トウ立ちがたいへん起こりやすいので使用できません。

播種と育苗

播種方法は、条まきが管理しやすいでしょう。その際、発芽を揃えることが大切です。播種後は、乾燥防止と豪雨の対策としてモミガラや切りワラなどを敷きます。べ夕がけ資材を利用するのも発芽を揃えるには有効な手段です。特に発芽揃いまでは、乾燥させないように潅水に注意します。間引きは本葉2枚目までに行い、苗の間隔は10mm程度に仕上げるとよいでしょう。中耕はタマネギの根に酸素を与え生育をよくするとともに雑草も防ぎます。その際、軽く土寄せを行なって倒伏を防ぎましょう。同時にチッソ成分で10㎡当たり10~15gを目安に追肥するとよいでしょう。育苗日数は55日前後が目安となります。

[条まき]

苗床の元肥は10㎡当たり成分量でN・P・Kを70~100gを目安に施用

[ポットまき]

ポリ鉢に直接タネをまいて、そのまま育苗

発芽した状態。込みあった所は間引きする

育苗日数は55日程度、本葉3~4枚が定植時期

  • ●立ち枯れ防止に、予防殺菌剤を定期的に散布すると効果的です。
  • ●雨よけのトンネル(両サイドは開けたままでよい)を利用すると、育苗中の病気が軽減されます。

タキイの透水マルチ「たまねぎ名人」を活用すれば、タマネギの定植も楽にできます。

たまねぎ名人使用例

生育途中

収穫時

花芽分化と抽苔

ある一定の大きさに達した苗が、低温に一定期間あって花芽を分化し、長日条件のもとで抽苔が促進されます。
一般に大苗になるほど低温の影響を受けやすくなります。
一般に、早生の品種は抽苔しにくい性質をもちます。

抽苔の主な原因

  • ①大苗の定植や早植え、多肥や暖冬で冬季までに生育が進みすぎた場合(分球も同じ傾向)
  • ②冬季に肥料切れが起こった場合(特にチッソ成分が不足)

生育

[中晩生種の例]

■生育適温
15~20℃
■球肥大適温
15~25℃

[ベと病]

病原菌は糸状菌(かび)で、気温15℃で多雨の時に多発し、特に4月中旬から5月上旬に曇雨天が続くと多発します。葉に楕円形から不整型の黄色病斑を形成し、病斑部から折れて垂れ下がります。冬期に越年罹病株の抜き取りを行い、3月中に予防殺菌剤を散布するとよいでしょう。畑をよく観察し、胞子が出ているようであれば、べと病に効果がある殺菌剤で徹底して防除を行います。

越年罹病株

葉の病斑

定植

早まきによる大苗はトウ立ちや分球、極端な小苗は生育不良の原因となります。

■施肥量
1回の栽培に必要な施肥量(全体)は、目安として10㎡当たり成分量で、チッソ200~250g、リン酸、カリ200~300gを施用します。
早生種は、元肥に2/3~全量を施用、中生~晩生種は元肥半量、追肥半量とします。
年内の生育を抑えて、1月から肥効を高め、3月上旬に止め肥(最後の追肥)を行なうようにします。

追肥

早出し栽培(極早生・早生)での1回目は12月下旬~1月上旬、止め肥は2月上中旬。貯蔵栽培(中生・中晩生)では1回目は1月上旬、2回目は2月上旬、止め肥は3月上旬とし、貯蔵性を高めるには多肥・遅肥を避けます。タマネギの根は、根系が浅いので乾燥に弱く、水不足では球の肥大が悪くなります。また雑草にも弱いので、除草は早期に行いましょう(マルチ栽培でもよい)。

■追肥のポイント
1月の追肥は根張りを促進して耐寒性や葉数分化を図り、2月の抽苔危険期に肥効を高めて花芽分化を抑える効果もあります。
多肥や止め肥の遅れは過繁茂をもたらし、病害虫が発生しやすくなります。
また、玉じまりが悪くなり、食味や貯蔵性にも影響するので、「腹八分目栽培」が貯蔵栽培のポイントです。
■分球
分球感応は温度…14~15℃、葉鞘径…8~10mm以上。
一次分球は12月上旬ごろ…外部分球、二次分球は4月中下旬ごろ…内部分球。
分球は品種によってかなり異なります。
早まきや大苗など、生育の旺盛な時に多発しやすく、暖冬傾向の時や大玉を狙ってむやみに株間を広げた時にも多発します。

収穫と貯蔵

[倒状]

球の肥大充実が進行すると、葉鞘の内部が中空になってきます。
この部分が弱点となって、球がある程度肥大すると風によって簡単に葉が倒れます。
これは球が成熟したしるしです。

[収穫]

収穫適期は倒伏が揃った1週間後くらいに行うとよいでしょう。
球に糖分が十分蓄積され、おいしくて貯蔵性の高いタマネギになります。
晴天の日を見計らって収穫し、1~2日天日干しした後、雨の当たらない場所でつり貯蔵やコンテナ貯蔵により保管します。
ただし遅どりは裂皮や病害が多くなるので注意します。

倒伏後1週間(首がやわらかくなったころ)を目安に、球の充実を待ってから収穫する。

[貯蔵]

球はしっかり充実してしまったものを日陰の風通しのよい場所に保管すれば、品種によって違いますが、長く貯蔵できます。

葉が半乾きくらいになった頃、5~10球ずつひもでしばり、風通しのよいところに吊す。

病害や生理障害

[タマネギの病害を減らすポイント]

チッソ過多や肥料の遅効きは病害を助長するので発生を軽減するためには、適切な肥培管理が重要です。
収穫時は天日干しをして、十分に乾かすことで貯蔵病害を軽減できます。
畑には病害株を残さないようにし、常に清潔に保つようにしましょう。

灰色腐敗病
ボトリチス菌が主に首部から侵入。肩などが腐敗する。

肩腐れ

りん片腐敗病
バクテリア菌が主に首部から侵入。肌や芯などが腐敗する。

肌腐れ

芯腐れ

乾腐病
フザリウム菌が根から侵入。尻部が腐敗する。

尻腐れ

黒かび病
貯蔵中に発生し、高温や風通しが悪いと発生しやすい。梅雨があけ高温期に入ると発生が見られるようになる。症状は、外皮(保護葉)を剥ぐとりん茎表面に黒色のカビが発生し、品質を低下させる。球全体が腐敗することはない。

Q&A

タマネギのべと病の防止策を教えてください。

べと病はかびの一種で、病原菌は土壌中で10年以上も生存します。発病タイプには、全身感染型と二次感染型の2種類があります。前者は秋に感染して、春に発病します。後者は春秋に発生して、被害葉はやがて枯死します。

ベと病の発生畑では、病原菌を残さないように努めます。そのため農薬散布と共に、発病株をできるだけ早く見つけて抜き取り、焼却処分します。タマネギのべと病はネギやワケギにも発生するので、それらの発病株が畑の周辺にもないか注意しましょう。

育苗する際に、発病しないように努めます。そのため前作にタマネギのない畑を選び、7月の高温時に30日以上、畝の谷部の両端を土でせき止めて水張りをします。次いで8月上旬にせき止めた土を取り、水抜きをして元肥を入れ、ビニールを張り太陽熱消毒を約20日間します。過湿ではベと病が発生しやすいので、苗床用に高畝を立てます。畝を整地してタネをまきます。

前作にタマネギのない畑を選び、定植します。定植後11~12月の気温が高くて雨が多いと、ベと病にかかりやすいので薬剤防除をします。降雨による畝面からのはね返りで伝染するので、マルチをしておきます。ベと病の兆候を見つけたら、直ちに抜き取り薬剤散布をします。春には発生が多くなりやすいので、雨が降りそうな場合、前日までに薬剤防除をします。適正な使用では農薬残留の心配はありません。農薬については、最新のものを園芸店などで確認してください。

タマネギを抽苔させないための栽培ポイントを教えてください。

ネギは生育途中に10℃以下の低温に一定期間おかれると、花芽が分化し、抽苔を始めますが、この低温感応は苗の大きさや品種により差があります。一般に大苗になるほど低温の影響を受けやすく、抽苔が多くなります。

トウ立ちさせないためには、冬前に苗をあまり大きくしないことです。植え付けに適した苗の太さは、鉛筆の太さ以下といわれています。しかし苗が小さいと、寒さに弱く越冬できずに枯れたり、越冬しても収穫時のタマネギが小さくなったりします。従って収量を上げるには、苗を抽苔しない最大の大きさにすることですが、数%が抽苔するくらいが多収になります。

最近は暖冬の影響もあって、苗の大きさが適切であっても生育が進みすぎ、抽苔が多くなることがあります。またチッソが不足すると花芽分化しやすくなるため、越年後の1~2月には必ず追肥をし、乾燥時には潅水を行うことで抽苔を抑えることができます。

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