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Vol.9
葉色で見分ける
こんなサインが出たら要注意!
観葉植物の健康状態に何か異変が出ているときに、サインとなるのが葉色の変化です。黒くなる、白くなる、つやがなくなる、など葉色の変化でどのような異変がわかるかをアドバイスします。


サイン 1
葉色全体が黒くなる
葉全体が黒くなる場合は、高温多湿による蒸れが原因と考えられます。熱帯エリア原産で高温多湿を好む植物であっても、ほどよい風通しがないと蒸れやすくなり、葉の呼吸が効率的に行えなくなります。とくに真夏に窓を閉め切った室内では蒸れが生じやすいので、朝などに一日1回は窓を開けて室内に風を通すようにしましょう。
サイン 2
葉に黒いすすのようなものがつく
それはすす病を生じているサインです。すす病とはすすのような黒いカビが発生する病気で、アブラムシやカイガラムシなどがつくことで発生します。黒いすすはそれらの虫の排出物にカビが生じたもの。すぐに濡れた布地などですすをふきとりましょう。そのまま放置すると、虫によって葉や茎が水分や養分を吸い取られ、やがては株が弱ってしまいます。アブラムシは黒もまたは茶色、緑色の小さな粒々です。葉を裏まで確認して、見つけたらガムテープなどで除去します。大量についている場合は、株ごと水で洗い流すとよいでしょう。 カイガラムシは、幼虫は白い綿のような状態で、成虫になると殻のようにかたくなります。葉の付け根などに付きやすいので、見つけたらピンセットで取り除いてください。
サイン 3
葉の先端が茶色くなる
葉の先端が茶色くなる原因は大きく2つ。一つは水分不足です。植物は水分が不足すると葉の先端から枯れ始めます。もう一つは葉焼けです。直射日光、とくに西日が当たる場所で管理していると、葉焼けが生じて茶色くなります。葉焼けの場合は、先端から徐々に葉全体が茶色く変化します。どちらも応急処置として、茶色く変化した部分をカットするとよいでしょう。
サイン 4
葉がかすれて白くなってくる
これはハダニが発生しているサインです。ハダニはクモの仲間でごく小さいため、肉眼では見えにくいのですが、探してみると白い糸を引いていることもあります。葉から少しずつ水分、養分を吸い取り、やがては株が弱ってくるので、見つけたら発生している葉をカットします。ハダニは高温で乾燥した環境で発生しやすいので、こまめに葉水を行うように気をつけましょう。
サイン 5
葉が粉を吹いたように白くなる
これはうどんこ病を発生している可能性が高いと思われます。白い粉の正体は増殖したカビの胞子です。カビが寄生するとそこから水分や養分を吸収して、やがて株が弱っていきます。まずは、症状が出ている葉にたっぷりと霧吹きで水をかけてカビを洗い流します。水はけが悪く、通気性が低下すると発生しやすくなるので、症状がひでい場合は新しい土に植え直すとよいでしょう。
サイン 6
葉が黄色くなる
葉が黄色くなる現象はクロロシスと呼ばれ、植物からの異変を知らせるサインです。原因はいくつか考えられますが、まずその植物にとって気温が低すぎないかを確認してください。熱帯地方が原産の観葉植物は寒さに弱く、特に冬季は暖房を入れていても観葉植物の置かれている場所によっては気温が低すぎることもあります。 また、水やりがその植物に適していない場合も葉が黄色くなります。水やりのしすぎ、もしくは水分不足、どちらも原因になるので、適した水やりの頻度と量をもう一度確認してみてください。黄色くなった葉は元には戻らず枯れ落ちますが、株がそのまま枯れてしまうことはないので、改善策を講じれば再び元気な姿を見せてくれます。
サイン 7
葉のつやが以前よりなくなっている
購入当時はつやつやだった葉が、徐々につやをなくし…。そんなときにまず確認したいのが生育状況です。葉には植物の健康状態がよく現れるので、枯れている葉がないか、枝や幹の状態に変化がないかをチェックしましょう。ほかに異変が見られない場合は、日光が不足している可能性があります。置いている場所の日当たり具合をもう一度確認してみましょう。朝だけベランダなどに出し、日光浴をさせる手もあります。こまめに葉水をしたり、濡れた布地で拭いて積もったホコリを取り除くケアをしていると、葉のつやがきれいに保てます。

高梨さゆみ(たかなしさゆみ)
イギリスでガーデニング文化の魅力に触れて以来、雑誌や本などですぐに役立つガーデニングの情報を発信。イギリスや日本全国の庭を巡るほか、日々の花散歩で見かけた「これはいい!」という植物をSNSなどでも紹介する。花苗や切り花の生産農家も訪ね、人気の花、新しい花の情報を得ると同時に栽培のアドバイスも取材。