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インゲンの基本情報

インゲンの写真
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学名
Phaseolus vulgaris
和名
インゲンマメ
英名
common bean
原産地
中央アメリカ
分類
マメ科インゲンマメ属
上陸時期
江戸時代(1654年)

インゲンの住みやすい環境

発芽適温
インゲンは比較的温暖な気候を好み、発芽適温は23~25℃です。
生育適温
生育の適温は15~25℃です。栽培可能な気温の範囲は10~30℃で、10℃以下では生育が停滞し、5℃以下では枯死してしまいます。25℃以上では花粉の稔性が悪くなり、着莢率が低下します。
土壌適応性
土壌の適応範囲は広く、栽培は容易です。排水良好で耕土の深い肥よくな埴壌土で最も良好な生育を示します。ただし、砂土は乾燥と過湿を繰り返すことでストレスを与えやすいので適しません。
土壌酸度
酸性土壌に対しては特に弱く、pH6前後が適当とされています。また豆類の中で、塩分には最も弱い種類です。耐湿性は強くないので、水田土壌などでは排水対策を十分に行ってください。

インゲンとは(インゲンってどんな野菜?)

栄養豊富なインゲン
インゲンという名前は、江戸時代に中国の帰化僧・隠元禅師が伝えたという由来によります。インゲンは、未成熟のさやごと食用にするサヤインゲンと煮豆や菓子の原料にする完熟した豆(いわゆるインゲンマメ)に分けられます。両者を比較すると、成分値は大きく異なり、また完熟した豆でも乾燥物とゆでたものの間では差がありますが、いずれもたんぱく質に富み、ビタミンB1、B2、穀物に不足しがちなカルシウムなどを含んでいます。

サヤインゲンで疲労回復
サヤインゲンには、遊離アミノ酸・アスパラギン、ロイシン、リジンなどが含まれています。ロイシンは筋肉を維持し、リジンはたんぱく質の吸収を助けてくれるアミノ酸です。またアスパラギンはエネルギー源となるアミノ酸の一つですから、サヤインゲンは人体のさまざまな部分を形成するアミノ酸を多く含んだ野菜といえるでしょう。サヤインゲンの鮮やかな緑は、まず目で食欲を刺激してくれます。煮ものから、おひたし、和えもの、天ぷらと和食には欠かせない食材です。細めで、みずみずしいものがよいとされています。

食物繊維が豊富なインゲンマメ
インゲンマメの皮には多くの食物繊維が含まれています。食物繊維には整腸効果や便秘解消といった効果があります。乾燥させた物は一晩水につけてよくもどし、やわらかくなるまでゆで、味つけをします。インゲンマメは煮豆、煮込み料理、スープ、サラダ、和洋どちらの料理にも使えます。特に豚肉にはよく合います。大きくて、粒が揃っているもの、つやのあるものを選びましょう。

調理のポイント
インゲンマメをゆでる時、砂糖を早くから入れると、やわらかく煮えません。また、皮にひびが入った豆は煮ると皮切れしたり、煮くずれしやすいので注意しましょう。

インゲンとは(インゲンってどんな野菜?)
文部科学省『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』より

栽培手順 各ポイント

菜園向けインゲン栽培カレンダー

栽培カレンダー

種類と作型

莢の種類は丸莢と丸平莢、平莢に区分され、莢の片側にスジのあるスジあり種とスジなし種(ストリングレス)があります。現在の品種は改良が進み、ほとんどスジなし種になっています。昔は調理の前にスジとりをしていましたが、現在はほとんどやる必要がありません。

平莢

丸平莢

丸莢

[インゲンと気温の関係]

■生育適温
15~25℃

つるなし種は、高温時期に開花すると着莢が悪くなるので、夏場の高温時期に開花しないように播種期を選びます。収穫期間は2週間程度なので、播種期を10~14日ずつずらしてまいておくと収穫が安定して行えます。つるあり種は高温に強いので、4月下旬から5月下旬までまくことができ、5月上旬まきなら、7月上旬から30日以上収穫を続けることができます。

発芽

■発芽適温
23~25℃

インゲンのタネを水に浸すと、子葉と胚軸に割れ目が生じます。割れ目の発生率は、よく乾燥したタネほど高く、しかも、割れ目が大きいので発芽の妨げになります。長時間水に浸すことによって水中での酸素欠乏が起こり、発芽障害を引き起こすこともあるので、インゲンのタネを水に浸してからまくのは好ましくないでしょう。

[播種する時の注意]

覆土はタネの2~3倍(約2cm)程度を目安にします。

幼根はへそ部近くから発芽するのでへそを下にしてまくとよいでしょう。

覆土が浅いと根の部分が浮き上がったり、種皮をかぶったまま発芽して子葉が開かなくなります。

ポット育苗

マメ類は播種から発芽までの間、鳥害が多いので育苗して定植するのもよいでしょう。育苗には温度を確保できる場所が必要です。最低気温が10℃以上になったころ根鉢をくずさないように定植します。

ポリ鉢に直接タネをまいて、そのまま育苗

発芽した状態

初生葉が展開したときに1~2本にする

育苗日数約20日、本葉1~2枚が定植適期です。

播種(直播)

播種の目安は、最低地温が15℃以上になったころです。一般地のマルチ栽培では5月上旬ごろになります。マルチは生育初期の地温を高め、水分と肥料分を保持する働きがあるのでぜひ利用するようにしましょう。特につるなし種でマルチの効果が高くなります。

[つるあり種]

[つるなし種]

欠株を防ぐため1穴に3~4粒播種し、本葉が2枚くらいまでに1~2本に間引きします。生育のよいものを残してそのほかの株は根元をハサミで切り取ります。

■施肥量
元肥は目安として10㎡当たり成分量で、つるあり種がチッソ120g、リン酸200g、カリ120g、つるなし種はチッソ150g、リン酸、カリ200gを施用します。マメ類の中では肥料は多めがよいが、特につるあり種は元肥が多すぎると葉が大きくなり、つるぼけして着莢が遅くなるので注意します。

つるありインゲンの生育

つるあり種は摘芯しなければ2~3m伸長します。節間は長く、左巻きに支柱に巻きつく性質があります。

[1条植えの場合]

[2条植えの場合]

インゲンネット、キュウリネットなどを利用します。
つるあり種は、本葉5~6枚になればつるが伸び始めますので、支柱やキュウリネットなどを用いて誘引します。種まきから55日程度で収穫できるようになります。追肥は、開花時期と収穫始めの2回行います。1回の追肥では、10㎡当たりチッソ成分30~40gを施します。
開花・着莢時期に水分が不足すると、落花や曲がり莢が多くなります。
乾燥が続くようであれば、十分に潅水を行ってください。

生育途中

[インゲンの莢のつき方]

つるあり種の開花と結莢

インゲンの花

つるが支柱の肩部まで伸びたら摘芯して、側枝の発生を促すとともにバランスよくつるを誘引して採光をよくします。側枝が上に伸びてきたら主枝と同じように摘芯します。

つるなしインゲンの生育

つるなし種は支柱が不要で、栽培期間も短く基本的に追肥は行いません。収量はつるあり種に比べて少なくなります。1作が短いため、ほかの作物との輪作体系を組みやすい利点もあります。
つるなし種でも、過繁茂(肥料過多、高温、日照不足等)でつるが伸びる場合があります。長いつるが出るようなら早めに摘芯して、背丈が大きくならないようにします。

マルチをすると保温効果で発芽がよくなり、乾燥を防いで収量が増えます。特につるなし種を栽培する時には、雨による泥の跳ね上がりで発生しやすい莢の腐敗が防げます。
本葉展開時から殺菌剤を定期的に予防散布すると作物を保護し、さらに抵抗力を高めます。
アブラムシにはシルバーマルチなどを利用したり、ガの幼虫などは捕殺するなどして、発生初期に徹底防除することが減農薬栽培につながります。

つるなしモロッコのマルチ栽培

収穫

[つるあり種]

つるなし種よりも大莢で収穫することが多い。子実のふくらみが大きくなっても食味は落ちにくいが、とり遅れに注意する。

[つるなし種]

開花後10~15日で子実のふくらみが目立つ前に収穫する。

とり遅れは莢の品質が低下するばかりでなく、草勢を低下させ、減収につながるのでこまめに収穫する。

収穫

連作障害

インゲンも含めマメ類は、連作を嫌うため3年以上あけて栽培するようにします。連作するといや地現象(植物自身が分泌する生育阻害物質の影響)が起こり、土壌病害やセンチュウなどが発生しやすく、生育が極端に悪くなる場合があります。

病害虫

[アブラムシによるウイルス病]

生育が進むと葉の縁が、急に巻いたように縮みはじめることがあります。
このような症状は、アブラムシの被害による場合が多く、葉を裏返してみると、すでにアブラムシが増えはじめています。
アブラムシはウイルス病を伝播するので、放っておくと、株全体が縮んでしまい、葉や株が奇形になります。

[ハダニの被害]

梅雨明けぐらいから葉裏にハダニが寄生して汁を吸い、葉緑素が抜けるのでその部分が白くなります。多発すると葉が黄色、後に褐色になって枯れてしまい、生育も遅れます。莢にも寄生し、汁を吸われた部分が褐色になってしまいます。ダニは世代の交代が早く、一回の薬剤散布では防ぎきれないので、3~4日おきに、3~4回続けて農薬を散布することが大切です。

病害や生理障害

<病気>
総監修・イラスト原図 : 駒田旦
本文監修 : 大阪府立環境農林水産総合研究所 草刈眞一
写真提供 : 岡田清嗣(KO)、駒田旦(HK)
<害虫>
総監修 : 大阪府立環境農林水産総合研究所 田中寛 監修 : 草刈眞一、柴尾学
写真提供 : 田中寛(HT)、木村裕(YK)、池田二三高(FI)、柴尾学(MS)

Q&A

つるなしインゲンの品種なのに、つるが発生してきました。なぜでしょうか。

インゲンは「三度豆」といわれる通り、春から初秋まで幅広く播種でき、家庭菜園でも主力の品目です。

つるの発生を播種時期別にみると、多くの品種で春まきよりも初夏~夏まきで発生する例が多いようです。このことから、主な原因は生育初期の高温と長日(昼間の時間が長い)によるものと考えられます。さらに発生する状況をみると、品種によって少し差があるようですし、同じ品種でも発生数やつるの伸長の程度が変わったりします。栽培管理の面からは、多肥による過繁茂の状況で発生が助長されるようにも思いますが、これは明らかではなく、先祖返りの一種とも考えられます。

対策として、発生を完全に防ぐ有効な方法を明示することができませんが、多肥栽培にしないことを基本にしながら、発生してきた株については伸び始めたつるを20~30㎝の所で摘芯するのがよいでしょう。

インゲンは7月でもまくことは可能でしょうか。

インゲンの播種適期は、中間地帯では4月下旬~5月上旬です。23~25℃で発芽し、生育適温は15~25℃です。適温下では播種後4~5日で発芽、40日程度で開花して、そこから10~15日後の若莢を収穫します。気温が25℃より高くなると花粉の稔性が悪くなり、着莢率が低下するので、高温期の播種を避け、収穫期が盛夏期にならないように注意します。

しかしインゲンは抑制栽培も可能です。抑制栽培にはつるなし品種が適しています。つるなし品種は早生で、播種から収穫までの期間が55~65日と短く、寒くなるまでに収穫を終えられます。露地栽培の場合、暖地や中間地での播種期は7月中旬~8月中旬、冷涼地では7月上旬までになります。

栽培のポイントは発芽を順調にさせることと、生育初めから根をよく伸長させること。インゲンは耐湿性が弱いため、有機質を十分施用して排水のよい畑にすることが大切です。発芽期の乾燥は発芽率を低下させるため、降雨後、速やかにマルチを張るのもよいでしょう。

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