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スイカの上手な栽培方法・育て方

スイカの基本情報

学名
Citrullus lanatus
和名/別名
スイカ
英名
Watermelon
原産地
アフリカ南部・カラハリ砂漠周辺
分類
ウリ科スイカ属
上陸時期
伝来の記録としては16世紀にポルトガル人によって伝えられたことが残っています。

スイカの住みやすい環境

発芽適温
25~30℃。実用的な最低発芽温度は15℃程度で、最高発芽温度は40℃です。
生育適温
25℃前後。ウリ類の中でも高温性の作物です。高温には強く、品種、土壌条件にもよりますが、最高気温は40℃でも十分耐えます。しかし低温には弱く、最低気温13℃を切ると極端に生育が劣り、果実は裂果する場合があります。
土壌適応性
元来乾燥に強く湿害には弱い性質です。したがって、降雨後の排水がしっかり図れるように圃場を準備します。
土壌酸度
酸性にもアルカリにも適応性が広く、pH5~7の範囲では生育差がないとされていますが、接ぎ木した場合、台木の根によって適応性は変わります。カンピョウ、カボチャ台木ではスイカに比べて酸性には敏感になるので、pH5.5~7が好適でしょう。

スイカとは(スイカってどんな野菜?)

油体の調子を整えるスイカ
スイカは、英語では「ウォーターメロン」、中国語では「水瓜」と記すように水分を多く含む野菜です。赤い果肉にはカロテンが豊富に含まれています。カロテンは体内でビタミンAに変化し、皮膚や粘膜を保護する働きをします。スイカから発見されたアミノ酸・シトルリンは肝機能改善薬の成分として利用され、また強い抗酸化作用も確認されています。夏の暑さで疲れた体をそっと癒してくれる野菜であるといえるでしょう。そのほかトマトと同様に、体内で活性酸素が増えることを抑え、体内組織の酸化を防ぐ赤色色素のリコピンを多く含んでいます。

おいしいスイカの選び方
縞がはっきりしているもの、ふっくらとした丸い形の叩くと澄んだ音がするもの、花落ち(底の中心部分)が小さいものがよいといわれます。カットしてあるものの場合、果肉の色が鮮やかで種が黒々としたものを選びます。スイカの甘みは、冷やすことで増します。よく冷やしたものをくし型に切りわけて食べるのが一番です。そのほかフルーツポンチやサラダにしても、涼しさを感じさせてよいでしょう。

調理のポイント
果芯近くのタネがある部分が、もっとも甘いので、均等にゆきわたるように切りわけます。

文部科学省『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』より

栽培手順 各ポイント

菜園向けスイカ栽培カレンダー

栽培カレンダー

育苗管理

定植

■生育適温
25~30℃

[定植適期苗]

本葉4~5枚で、根鉢が崩れずしっかりした根が張っているものが定植適期苗で、株元から大きく厚い本葉が展開している苗が理想です。
葉が込みあったり日照不足だと徒長して、側枝の発生が悪い苗になりやすいので注意します。

[スイカの接ぎ木苗]

低温伸長性や土壌伝染病害(つる割病)への抵抗性を強めるため、ユウガオ(カンピョウ)やカボチャを台木とした接ぎ木栽培が一般的です。
家庭菜園では接ぎ木は難しいので、接ぎ木苗の購入をおすすめします。

[トンネル・マルチの利用]

スイカの原産はアフリカの砂漠といわれており、高温乾燥を好み、水はけの悪い場所を嫌います。
日本では、梅雨をまたいで夏に収穫する作型が一般的なので、マルチやトンネルで雨や寒さをしのぎます。
トンネルで降雨から守ることで着果や初期肥大が安定し、収穫前の裂果も少なく、糖度ものりやすくなります。

トンネル・マルチを使った栽培

収穫前の果実

スイカは、霜に弱い高温性の作物です。定植時期の目安は、晩霜の心配がなく最低気温10℃、最低地温15℃以上になったころです。一般地の露地栽培では5月上中旬ごろ、トンネル栽培では4月中下旬ごろになります。
スムーズな活着を促すため、定植は晴天の午前中に行い、地温の確保につとめます。

地温15℃を目標に定植する。

■施肥量
元肥の量は目安として10㎡当たり成分量で、チッソ100~150g、リン酸150~200g、カリ100~150gを施用します。元肥が多いと「つるぼけ」をおこし、着果や玉の肥大が悪くなるので注意します。アミノ酸入り液肥を、着果後から定期的に施用すると果実の肥大や品質が向上します。

定植後の仕立てと管理

[摘芯]

スイカの仕立て方はいろいろありますが、家庭菜園の大玉栽培では本葉5~6枚で親づるを摘芯し、子づる4本整枝2果どりがよいでしよう。

[大玉スイカ子づる4本整枝2果どり栽培の場合]

着果節位までの側枝は、早めに除去します。
着果節位以降の側枝は基本的に残し、玉の肥大促進のために葉面積を増やします。
収穫までは整枝をひかえ、草勢維持につとめますが、後半まで草勢が強すぎる場合は、空洞果や裂果が発生したり、糖度が上がりにくくなるので整枝が必要です。
追肥は草勢を見ながら、着果を確認した摘果後つる先に、チッソ成分で30~40g/10㎡施します。

交配期の草姿

16~22節あたりの3番花に着果させるのがよいでしょう。
これよりも低節位だと玉が小さく扁平になりやすく、高節位だと大玉になるものの玉が膨らみすぎて変形果や空洞果、裂果が増加します。

[交配]

最低夜温は15℃以上必要で、日照不足、チッソ過多、高温、多湿によって茎葉が軟弱に生長しているときは雌花の着生が悪く、落花が多くなります。その日の朝に初めて咲いた雄花を必ず使いましょう(夕方咲いている雄花は除去するとよい)。

交配(受粉)は、晴天日の午前9時までに行うのが花粉に活力があり効果的。

その日開花した雄花の花弁を除去して、花粉を雌花の柱頭につける。

スイカの雌花

スイカの雄花

着果後の雌花

草勢判断の目安

[交配期の生育状態を判断]

朝につる先がしっかり持ち上がり、当日開花した雌花からつる先までの長さ40~50㎝ぐらいが適当です。
それより短い場合は草勢が弱く果実の肥大不足が予想されますので、交配を先送りして葉枚数を確保します。
また、長い場合は、草勢が強く着果率の低下が心配されますので、孫づるをもう少し先までかき取るなど、草勢を抑える管理が必要です。

雌花の充実が悪く、着果性が劣る。

・つる先から開花位置まで60~70㎝以上
・節間が長い(20cm以上)
・つるが太く、先端の持ち上がりが大きい。

・開花位置まで40~50cm程度
・節間15cm程度
・つるがタバコぐらいの太さで、先が軽く上を向いている。

草勢が弱く肥大しない。

・開花位置まで30cm以下
・節間が短い(10cm程度)
・つるが細く、先端の持ち上がりが少ない。

玉直しと収穫

果実がソフトボール大になったころ、果梗部を上にして変形を防ぎます。
着果後1カ月ごろから、果皮の着色と果肉の熟度を均ーにするために、玉直しを行います。接地面に突然直射日光をあてると日焼けのおそれがありますので、2~3回に分けて少しずつ回転させます。
スイカの収穫期の判断は経験を要しますが、開花交配後の日数と積算温度を目安にします。(登熟日数のおおよその目安は、7月収穫であれば大玉スイカで45~50日、小玉スイカで35~40日が登熟日数の目安です。積算温度では大玉で約1000℃、小玉で約800℃で収穫期を迎えます)
収穫前に試し割りを行い、熟度を確かめてから収穫をするとよいでしょう。

小玉スイカは子づる4本整枝3果どり

子づる4本仕立て、1番果を3果どりとし、うね幅を300cm、株間60~80cm程度、栽植密度は10㎡当たり4株ぐらいを基準にします。
1番果収穫後、草勢が安定していれば2番果を着果させて6玉収穫を目指します。

Q&A

スイカの育苗中に本葉が縮れます。何が原因でしょうか。

スイカの葉が縮れる症状は、鉄分の多い酸性土壌で多湿な場合や、塩分の多い地下水地帯などで発生が知られています。

また、葉が縮れるウイルス症状はモザイク病でも見られ、清潔で新しい育苗用土を使うようにして、用土の使い回しを避ける必要があります。清潔でない用土では病原菌が含まれていたりして、立ち枯れを起こす危険性もあります。

それに、水はけ、水もちと通気性のよいことも重要です。水はけや通気性が悪ければ根腐れを起こしやすく、葉の生育は悪くなります。

スイカは一般に浅根性で好気性とされますが、過湿や乾燥の害を受けやすく、また気温の影響を受けやすい特性があります。高温を好み、発芽適温は25~30℃で、発芽後は地温を23~25℃とします。育苗温度が十分に保たれていなければ、幼苗の生育は十分に進まないでしょう。

また、スイカは連作障害が出やすいので連作を避け、5年以上あけて栽培します。スイカには土壌伝染性の病害が知られ、これを避けるために接ぎ木苗を利用する栽培が一般化してきています。接ぎ木苗でなく、タネから育てる場合は、清潔な育苗用土を使うことがより重要となります。

スイカの収穫適期はどのように判断すればよいのでしょうか?「積算温度が○℃……」などとよく聞くのですが、難しくてよく分かりません。簡単な判断方法を教えてください。

立派に大きく肥大したスイカでも、その外観から適熟を確実に判断するのは難しいことです。いくつかの条件を総合して判断するしかないでしょう。最も基本的なことは、開花した月日を書いた小さい荷符を各雌花につけておき、収穫の予定日数に達した果実を確認して収穫することです。開花後、収穫までのだいたいの日数は、育成した種苗会社により品種ごとに説明されていますので確認しておくとよいでしょう。

しかし、一般の販売苗では品種名が分からないことがほとんどです。その場合には7~8月収穫で、大玉品種では45日、小玉品種では35日を目安にするとよいでしょう。

まず、最も早く着果した果実を予定日数で収穫し、その熟し具合でほかの果実の収穫期を判断してください。

以上のような開花後の日数による判断のほか、次のような果実や茎葉の外観による判断も補助的な参考になるでしょう。

①着果している節の巻きづるの部分が茶色に枯れてきた。
②果実の頭部が横に張った感じになる。
③果色の表面の白い粉状のものが少なくなって果色がつややかになる。

ただし、いずれもベテラン好みの判断法で、さほど簡単ではありません。基本的な開花日表示を実施されることをおすすめします。

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