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タキイの栽培コンテンツ
楕円形のプランターに。アイスチューリップ ‘ピンクツイスト’を中心に、ビオラ、ハナカンザシ、ルピナス‘ピクシーデライト’の草花などを合わせて華やかに。
アイスチューリップは深みのある赤の‘パラダ’と赤に白い縁取りの‘リーンファンダーマーク’で温かみのあるコーナーに。
冬から咲くアイスチューリップで
ひと足早く春を呼び込んで
多くの植物が休眠し冬枯れした庭は、ひっそりと寂しく感じられがちです。そこに季節の先取りで、アイスチューリップを咲かせてみませんか?アイスチューリップは、球根が寒さを体感した後で開花する性質を利用して、夏に冷蔵処理して開花を早めた促成栽培のチューリップです。芽出しポットを11月中下旬に植え付ければ、12月下旬から翌年1月に花を楽しむことができます。
アイスチューリップは冬の庭が華やかになるうえに花もちがよく、蕾から色づき、開花まで入れると1カ月以上も楽しむことができます。また、高さがあってボリューム感もあるので、ワンポイントに加えると冬の庭の印象がぐんと明るくなります!
アイスチューリップが入手できる11月中下旬は、冬花壇への植え替えも一段落するころ。一年草や春咲き球根、宿根草が植え込んであることも多いので、コンテナ植えにして、庭でのポイント使いで楽しむのがおすすめです。大輪のチューリップは花色がくっきりと浮かぶので、周りの植栽と合わせると、庭全体の統一感が図れます。
春に向けた一年草や宿根草、春咲き球根の植え込みが終わった初冬の庭。多くの植物が葉だけの状態で土も見え、寂しい印象。ここにアイスチューリップの鉢植えを加えると、パッと華やかなシーンに。
雪が積もる中、1月に咲いたアイスチューリップ。
日だまりのような
チューリップコーナーに
イエロー&オレンジのビタミンカラーで明るく元気に。暖色系の花色は冬の庭に温かみを感じさせてくれます。すっきりとした一重のトライアンフ咲きから3種を合わせ、イエロー~オレンジ~レッドの同系色で合わせるだけでなく、濃淡や縁取りの花模様のあるものを合わせると、よりグラデーションが生じて表情豊かに。
やわらかなオレンジ色にイエローのにじむような色合いが優しい印象。
すっきりとした花形とつや感のある、明るいイエローが遠くからも目を引く。
赤にイエローの縁取りはコントラストが効いて鮮やか。
色の少ない冬の庭の中で、赤いチューリップが印象的。コンテナ植えを連ねるようにディスプレイすると、即席で花のコーナーが手軽にできあがる。
深みのある赤が美しい。コンテナにチューリップ1種だけをたっぷりと植え込むと、花色・形が強調されて印象的に。
赤にイエローからホワイトに変わる縁取りが入る‘リーンファンダーマーク’。同じく深みのある赤にクリーム色の縁取りが美しいビオラ‘ビビ アステカ’と八重咲きのアネモネ‘オーロラ’で赤を印象的に。シルバーリーフのヘリクリサム‘ペティオラレ’ですっきりと。
赤に入る縁取り部分は、咲き始めはイエローで、徐々にホワイトに変化する。
芽出しポット苗の植え付け方
3球植えの芽出しポットを崩さずそのまま使用。鉢底石を鉢底が隠れるくらい入れ、その上に培養土を入れる。まずポットのまま配置してみて、培養土の量を加減して高さを調整する。
ポットから苗をそっと取り出して配置する。チューリップの根は傷みやすいので、根は崩さずに植える。
すき間に培養土を入れ、さらに株元の1cm上まで培養土を入れて仕上げる。
寄せ植えのプロセス
アイスチューリップの開花は12月下旬~翌年1月にかけて。同じ時期に楽しめるビオラなどの一年草と合わせると一層華やかに。チューリップと同系色で合わせると花のボリューム感をアップさせられる。さらにカラーリーフを加えると、チューリップの大輪花がすっきりと楽しめる。
鉢底石を鉢底が隠れるくらい入れ、その上に培養土を入れてポットのまま配置し、培養土の量を加減して高さを調整する。
ほかの花もポットのままチューリップを囲むように配置する。
根を崩さないようポットから苗をそっと取り出して配置し、すき間に培養土を入れる。
ほかの花も植えていく。チューリップは株元の1cm上まで培養土を入れる。
きりりとした表情の
ホワイトガーデン
コンテナ植えにすると鉢の高さも加わるので、ボリューム感が増し華やかに。寄せ植えは使用する植物の数を少なく、思い切って葉物だけと合わせるとチューリップが際立ってすっきりと見えます。数鉢を組み合わせてポイント使いに。白い玉砂利の中でチューリップが一層際立ちます。
白を引き立てるように黒葉のハボタンやシルバーのカロケファルス(プラチーナ)、ダスティーミラーを合わせ、あえて花は加えずにすっきりと。パーロット咲きのユニークな花姿も引き立つように。
植え込み直後はこんな感じ。
ホワイトにグリーンが残るみずみずしさに、オウムの羽のような個性的な花姿が目を引く。
アイスチューリップの‘ハクウン’は草丈もあるので、コンパクトなカラーリーフで高低差を出して、すっきり感をアップ。丸葉のダスティーミラー‘ニュールック’とシルバーグレイが美しいハボタン2種を加え、チューリップの白を際立たせて。
大きな純白の花のダーウィンハイブリッド種。
春色ピンクで
庭が優しい表情に!
春をイメージさせる淡いピンク。優しい花色なので、同系色の草花を加えてさらにふんわりとボリュームを出してやわらかな印象に。チューリップが大輪なので、小花を合わせるとバランスが取りやすくなります。チューリップが同系色の場合は花形を変えると変化が出ます。
ピンクのチューリップにラベンダー色の草花を合わせてエレガントに、白花と斑入りのカラーリーフで全体を明るく。アイスチューリップ‘ファーストクラス’を中心に、冬も花を楽しめるルピナス‘ピクシーデライト’、ビオラ‘ソルベ オーキッドローズビーコン’、ハナカンザシに、葉色が美しいキンギョソウ ‘リュミエール シフォン’、斑入りアラビスで明るく。
ふっくらとした花形が愛らしく、ピンクの濃淡で可憐な印象に。
チューリップ‘クイーンズランド’を中心に、スカビオサ‘バタフライピンク’とハナカンザシで華やかに。ウェーブのあるハボタンは花のようなボリューム感で、花の少ない冬の彩りに欠かせない。
花茎の長いスカビオサは、花が浮かんでいるようで寄せ植えに動きが出る。ハナカンザシの白い小花が全体を明るく。
ピンクに白い縁取りが入り、細かな切れ込みがボリューム感のある八重咲き。
淡いラベンダー色の草花に、濃いピンクの大輪のチューリップが引き立つ。合わせた花材はアイスチューリップ‘ファーストクラス’の寄せ植えと同じ。
植え込み直後はこんな感じ。
くっきりとしたピンクの一重咲きで、華やかながらすっきりとした印象。
- この景色、全部、1月末の様子なんですよ! 真冬なのにこんなに華やかなのはどうしてでしょう?
- 天野 麻里絵
- 東京農業大学地域環境科学部造園科学科卒業後、愛知県豊田市にある「ガーデニングミュージアム花遊庭」のヘッドガーデナーとして、植栽・メンテナンスを担当するほか、個人邸の植栽デザインも担当。NHK「趣味の園芸」講師など、テレビや雑誌などでも活躍中。