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小作りにしてナチュラルな姿を楽しむ タネから育てるハボタン

庭に彩りが少なくなる冬の間も、しゃれた葉色で目を楽しませてくれるハボタン。園芸家の三橋理恵子さんはハボタンが大好きで、毎年タネからたくさん育て、花壇や寄せ植えに利用しています。特に小作りにしたハボタンはナチュラルな印象で、洋風の庭にもよく似あうそう。三橋さん流のハボタンの上手な使い方、そしてタネから栽培するポイントをご紹介します。

小作りにしてタペストリーのように飾りたい!

ハボタンといえば、厚い葉の重なりが白やピンク、紫色に色づいて、まるでボタンやバラのように華やかなのが魅力です。ころんと丸い丸葉種や、ぎざぎざの葉が美しい切葉種、ちりめん種など、異なるタイプを集めて寄せ植えすれば、タペストリーのような美しい仕上がりが楽しめます。昔はキャベツほどの大きさに育ててから庭に移植したものですが、最近では小さなポットで育てた掌くらいの小作りが人気を集めています。昔の大型のハボタンは、お正月用のイメージが定着していましたが、もともとハボタンはヨーロッパの生まれ。日本で改良が進んだせいで、和風のイメージが強いですが、小作りが一般化した今では、洋風の庭にもよくマッチします。

  • 丸葉種の「F1桃つぐみ」
  • 丸葉種や切葉種をミックスしたコンテナはおしゃれな雰囲気に。

家庭で育てるからこその素朴なハボタンがかわいい!

私は昔からハボタンをタネから育てています。矮化剤を使わずに家庭で育てたハボタンは、専門家が育てたハボタンと違って、葉の巻きは少なめ。高性種は茎が曲がっていたりもします。でもそれがかえって自然な趣を感じさせ、とても気に入っています。そんなナチュラルな雰囲気のハボタンは、タネから育てないと入手できません。小さなハボタンがいくつも重なるようにして並んでいる姿はとっても華やか。寂しい冬の庭をあでやかにしてくれます。ぜひ、いろいろな品種をタネから育て、冬の庭の主役として利用してみてください。冬のハボタンもすてきですが、早春に少し寒さが緩んで、ハボタンが生育を再開し始めるころも見応えがあります。少しボリュームが豊かになって、再び自己主張を始めたよう。このころは咲き始めたほかの草花たちとの共演も見事です。

  • 切葉種の「F1さんご系」
  • 高性種と矮性種を寄せ植えしても楽しい。高性種の株元を矮性種がうまく隠してくれる。

お気に入りの品種をタネから上手に育てよう!

ハボタンは、株間をあけずにぎゅっと詰めて植えられるので、タネをたくさんまいても植えるのに困りません。冬は花も少ないので、たくさんポットで育てたら、高性種はお正月の切り花にするのもおすすめです。
比較的広めのまき床を用意し、清潔なたねまき用土を3cmほど入れ、タネを約1cm間隔で均等にばらまきします。覆土はタネが隠れるくらい。風通しのよい半日陰で水切れしないように管理します。タネまきするのは真夏の暑い最中ですが、涼しい日陰で管理していれば、発芽は順調です。乾くのが心配なら発芽までは室内で管理してもいいでしょう。

1発芽後の管理

3~4日ほどであっという間に芽が出てくるので、水さえ切らさなければさほど発芽に問題はありません。発芽直後は幼軸が徒長しやすいので、戸外のよく日光が当たる場所で育てます。水は適度に、表土が乾いたら与えます。与えすぎると徒長を招きますが、乾きやすい時期なので、水切れにも注意します。

  • 発芽したての芽。
  • 戸外で日光と風によく当てながら、徒長させないように育てる。

2鉢上げ

本葉が3~4枚になったらポットに鉢上げします。大きなハボタンにしたければ、6cmポットに1株ずつ植えます。小さなハボタンをたくさん育てたければ、9cmポットに数株ずつ植えます。ハボタンの色は、茎の色の違いで分かります。葉色が紫なら茎も紫を帯び、パステル系の場合は茎は緑なので、色を組みあわせて鉢上げします。鉢上げの時は、ほかの草花のように、根を傷めないように慎重に扱わなくて大丈夫。多少根を切るくらいのほうが、根の分枝が進んで、ハボタンの葉の巻きもよくなります。

  • そろそろ鉢上げ適期になったまき床の芽。
  • 6cmポットに1本ずつ鉢上げしたハボタン。鉢上げ後も日当たりのよい場所で管理する。

3鉢替え

ポットの底から根が飛び出してきたら、その都度鉢替えを繰り返し、株を大きくしていきます。一回り大きなポットを用意して、根を下向きに広げるようにし、表土の高さまで土をかぶせます。小作りにしたければ、鉢替えは12cmポットくらいまでにしておきます。葉の重ねをなるべく厚くするには、狭い根域の中でそれぞれのハボタンをよく生育させることが大切。よく日光に当て光合成させます。生育が止まった後に肥料分が残っていると、発色が悪くなります。ポットの中に元肥を入れずに、生育中に液肥を週1回程度与え続けるほうが安心です。

  • 鉢替えすると根域が広がるので、葉もぐんぐん育ってくる。

多粒まきも楽しい!

まき床を作らずに、ポットに直接まくこともできます。特に人気があるのが、小作りのハボタンを作る多粒まき。茎の伸びない品種、高性種どちらでも作れます。
9~10.5cmポットに鉢の縁から1cmを残して培養土を入れ、ここに10~12粒くらいのタネを均一にまき、覆土します。芽が出たら勢いのない芽を間引きます。たくさんのハボタンを小さなポットのスペースで育てるので、液肥をまめに与えて生育を促します。高性種で作ると、それぞれの茎が貧弱になりくねくねしますが、逆にそれもナチュラルな雰囲気で、味わいがあっていいものです。

  • 多粒まきしたポット。液肥をまめに与えて生育させる。

病害虫にあわないようにするには…

ハボタンは、葉が命。葉が虫食いにあっては台無しです。とはいえ、夏から秋にかけて蝶がよく飛来し、ハボタンの葉裏に卵を産みます。卵がかえるとアオムシになり、葉を食害します。私は虫の被害を少しでも食い止めるため、2階のベランダでハボタンを育てていますが、それでも必ず被害にあいます。定期的にまくタイプの粒剤を施すか、スプレー式タイプの薬剤を散布します。虫食いの跡がないからと安心しないで、葉裏に卵を産み付けられていないか、日々チェックすることが肝心。卵を見つけたら割り箸などで除去します。虫食いの跡があれば、卵がかえってアオムシになっています。葉から一つひとつアオムシを探してつまむのは大変。株全体を揺らすとアオムシが落ちてくるので、それを捕殺する方が簡単です。

  • 9cmポットに鉢替えした苗たち。1鉢に数株植え込んでいるのでにぎやか。この時期はアオムシの被害に要注意!

なかなか葉色が濃くならないのはどうして?

ハボタンはもともと、11月終わりに生育が止まり、その後の寒さで色づきが始まるとされてきました。しかし、最近は温暖化の影響か寒くなるのも遅く、12月になっても生育の勢いが止まらず、色づきが遅い傾向にあります。また、色づきながら生育することもあります。それでも寒さがやってくれば、だんだん濃く色づいてきます。真冬になれば色づき完了。そこからも春まで観賞期はたっぷりあります。ハボタンの色づきは自然がくれる贈り物。寒さとともに色づくのを楽しみに待ちましょう。また、ハボタンが美しく発色しない原因の一つに肥料分があります。肥料が生育の止まる冬まで残っていると、きれいに発色しないことがあります。長く効き目のある緩効性タイプの肥料より、液肥で管理する方がきれいに色を出しやすいでしょう。

  • 大きく育っているのに、まだ色づきが始まっていない苗たち。
  • 年によっては、こんな小さな株のころから色がつくことも。これもすべて気温次第。
  • 少し色づいてきたハボタン。最近は冬でも暖かいので、色づきと生育が同時進行で進むことが多い。

表情を生み出すにはこんな植え方で…

ハボタンは、葉が色づくころには生育を停止します。生育停止後に植えれば、株間をあける必要はなく、ハボタン同士を詰めて植えられます。ハボタンが隙間なくぎゅっと寄せて植えられている姿は、とても魅力的。これが株間をある程度必要とするほかの草花と違うところです。植える時は、ハボタンの正面顔を真上に揃えて植えずに、右や左に向けて全体をまとめると、さらに表情が出て見栄えがします。植える前に、すてきに見えるアレンジをいろいろ試してみてください。同じ品種のハボタンだけでも魅力的ですが、葉形の違う品種を混ぜるとさらに多様性が増します。また、ハボタンは生育するうちに下葉が黄色くなることがあるので、付け根からかき取って姿を整えますが、形よいハボタンに仕上げるため、緑の葉をかくこともあります。高性種では特にこの作業が大切です。

丸葉種や切葉種などタイプが違う品種をミックスすると動きが出て表情豊かに。

こんな使い方でハボタンを楽しんでいます!

デッキ脇をハボタンで埋めて、冬から春のお手軽シフト

私の庭のデッキの隅に、奥行15cmほどの花壇スペースがあります。ここに、冬は多粒まきして育てた、たくさんの高性種のハボタンをずらりと隙間なく植えます。室内から、小さなハボタンがたくさん色づいているのが見え、とてもきれいな景色が楽しめます。奥側にはキンギョソウなど春から大きく育つ草花を植えておけば、小さな花壇スペースながら冬から春花壇へのシフトもうまくいきます。

つややかな葉の「プラチナケール」はコンテナの主役に

葉色につやがあり、色がより鮮やかな「プラチナケール」は、インパクトが強くコンテナの主役に最適。ハボタンと同系色のパンジーやアリッサムなどと寄せ植えするとしゃれた雰囲気に。ハボタンの顔を正面から少しずつずらして植えると、表情豊かな寄せ植えになります。
従来のハボタンにはない輝くような照り葉の「プラチナケール」シリーズには、矮性のちりめん種「F1グロッシーレッド」もある。外葉のグリーンと中心部の紅色のコントラストがとても美しい品種。

丸葉種のおすすめは「F1つぐみ」

年によって、1本立ちにして掌サイズにしたものを植え込む場合も。これは矮性種の「F1白つぐみ」「F1桃つぐみ」「F1紅つぐみ」のミックス。
葉が軽く波打ち、縁のフリンジも繊細でとてもエレガント。葉数が多く立葉性でコンパクトな草姿になる。

小作りのハボタンを集めたコンテナはこんなにキュート!

ほかの花を加えず、ハボタンだけの寄せ植えもシックでしゃれた印象が楽しめます。丸鉢にぎっしり丸葉の小作りハボタンを植え込めば、まるでデコレーションケーキのよう。

三橋 理恵子

三橋 理恵子(みつはし りえこ)
タネから草花を育てる園芸研究家。「サンズコートたねまきガーデニング倶楽部」主催。ウェブサイトでもタネまきの方法について詳しく解説している。現在読売新聞で、「小さな庭づくり」を執筆中。

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