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エンドウの基本情報

エンドウの写真
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学名
Pisum sativum L.
和名
エンドウ
英名
Garden pea
原産地
中東のメソポタミア辺り
分類
マメ科エンドウ属
上陸時期
不明。11世紀ごろに「のらまめ」という名で、初めて記載。

エンドウの住みやすい環境

エンドウは冷涼な気候を好む作物で、耐寒性は強く、幼植物は0℃以下でも耐えることができます。

発芽適温
18~20℃です。
生育適温
12~20℃で、莢の肥大には14~18℃が必要です。5℃以下では花数が少なくなります。耐暑性は弱く、気温が高くなるにつれて不良莢、落花、落莢が増加し、28℃以上では生育が衰えます。
土壌適応性
エンドウの土壌適応性はかなり広いですが、排水のよい耕土の深い壌土、あるいは粘土質土壌が適します。
土壌酸度
酸性土壌に対しては特に弱い作物です。土壌pHは6.0前後になるように、石灰を10a当たり80~100Kgを基準に施します。

エンドウとは(エンドウってどんな野菜?)

あざやかな緑色が美しい彩り野菜
人とエンドウとのかかわりは古く、石器時代から食べられていたといいます。日本へは平安時代に中国から入ってきたとみられ、とても付き合いの長い食べ物です。そのため、調理への利用法によって、莢エンドウやグリンピース、スナップエンドウなど種類もさまざまなものがあります。莢エンドウは、歯切れのよさとあざやかな緑色の美しさが好まれ、ちらし寿司の飾りをはじめ、汁ものや煮もの、炒めもの、サラダなど彩りの野菜としていろんな料理に欠かせない食材となっています。

栄養面もバッチリ
エンドウは食物繊維や糖質が多く、ビタミンCも豊富。付け合わせとしてあるだけで、料理全体の栄養価をぐっと引き上げてくれます。特に、莢エンドウは生育の途中で摘みとられるので、ビタミンCを非常に多く含みます。成長するにつれて減っていきますが、かわりにビタミンB1が増えるので、莢エンドウやグリンピース、スナップエンドウは栄養の面でも使いわけることが大切です。

調理のポイント
鮮度が下がると栄養価も落ちるので、黄色っぽくなっているものやしんなりしたものは避け、青々とした艶のあるものを選びましょう。

エンドウとは(エンドウってどんな野菜?)
文部科学省『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』より

栽培手順 各ポイント

菜園向けエンドウ栽培カレンダー

栽培カレンダー

エンドウの種類

エンドウの品種には、大きく分けて絹莢エンドウ、スナップエンドウ、実とりエンドウの3種類があります。つる性の植物ですが、草丈によって高性、矮性、半矮性に分類され、花弁の色は白、赤、紫色などがあります。

絹莢工ンドウ

スナップエンドウ

実とりエンドウ

発芽

■発芽適温
18~20℃(発芽は4℃以上ではじまる。10℃程度の低温でも発芽日数は長くなるが比較的発芽率は高い)

開花から収穫期までが、できるだけ長く適温期間になるように播種する時期を決めます。秋まき栽培で播種期が早いと厳冬期まで生育が進みすぎてしまい寒さによる障害が、反対に遅いと初夏の気温(25℃以上)が高くなって急につるが枯れ上り、収穫時期が短くなってしまいます。エンドウをはじめマメ類のタネを水に浸してから播種すると、急激な吸収によって種皮が破れて発芽を損ねる場合があります。水に浸さずタネをまくようにしましょう。

[エンドウの発芽]

適温であれば5日ぐらいで発芽する

播種(直播)

エンドウは気温の低下する秋に播種し、耐寒性の強い幼苗で冬を越すようにします。播種の目安は、一般地の露地裁培では10月中旬から11月中旬になります。マルチは雑草を抑え、水分と肥料分を保持する働きがあるのでぜひ利用するようにしましょう。

根は過湿に弱いので高うねにする
鳥害防止に播種後、不織布をベタがけしたり、防鳥テープを利用するとよいでしょう

欠株を防ぐため1穴に3~4粒播種し、本葉が2枚くらいまでに1~2本に間引きします。生育のよいものを残してそのほかの株は根元をハサミで切り取ります。

■施肥量
元肥は目安として10㎡当たり成分量で、チッソ70~100g、リン酸100~150g、カリ100~150gを施用します。実エンドウは栽培期間が長いのでチッソ120g程度とやや多めに施します。元肥には肥効が長い有機質肥料などを使うとよいでしょう。

ポット育苗

マメ類は播種後から発芽までの間、鳥害が多いので育苗して定植するのもよいでしょう。育苗期間が1カ月程度なので6cmポットにまきます。大きくなってから定植すると活着が悪くなるので、本葉3~4枚ぐらいになったら、根鉢をくずさないように定植します。

ポリ鉢に直接タネをまいて、そのまま育苗

発芽した状態

本葉が1~2枚展開した時に1~2本にする

育苗日数は約30日、本葉3~4枚が定植時期です

越冬方法と追肥

■生育適温
12~20℃(25℃以上になると草勢が極端に弱くなり、徐々に枯れ上がる)

[越冬について]

本葉2~3枚ごろが最も耐寒性が強く、幼苗は-7℃ぐらいの低温に耐えることができますが、越冬時に生育が進みすぎると寒害を受けやすくなります。大きくなりすぎた場合はしっかり防寒対策をしてください。エンドウは、一部の品種を除き生育初期、一定の低温にあわないと花芽ができません。

適期に播種したものでも、直接霜にあたると傷みやすくなるので、株の上に笹の枝やわらをかぶせて霜よけします。また寒さが厳しくなる12月下旬までに、トンネル支柱に不織布や寒冷紗をかけると防寒対策になります。冬は風が強いので、被覆資材が飛ばされないようハウスバンドなどで補強するとよいでしょう。

エンドウの幼苗

①防寒対策としてトンネル支柱を使い不織布や寒冷紗で覆う
②冬の強風に飛ばされないようハウスバンドなどで押さえておくとよい

[追肥]

収穫時期の長い絹莢エンドウは、土寄せのころ、開花期、収穫始めのころ、にそれぞれ1回ずつ追肥しますが、実とりエンドウとスナップエンドウでは、着莢肥大期に1回程度草勢を見ながら、 中耕・除草・土寄せを兼ねて行います。 チッソ成分で10㎡当たり30g程度、 速効性の化成肥料を追肥します。

2月中旬までに うねの肩に、速効性肥料を施す。同時に株元へ、土寄せも行う。

支柱立て

竹を1株ごとにさす

エンドウネットやキュウリネットを使う

開花期に土壌が乾燥しすぎると、落花が増えます。着莢率と秀品率を向上させるためには、乾燥が続く時に潅水するとよいでしょう。液肥を利用すると品質のよい莢が収穫できます。

整枝と誘引

[エンドウの整枝]

エンドウの着果は第1次分枝(第1回に枝分かれした技)に多く、第2次、第3次は着果が少なく、高温期に入るのでよい莢がつかないので、3月下旬頃までに出た分枝(側枝)を残し、それ以降に分かれた枝や花つきの悪い 枝は、誘引のときに取り除きます。

ふくらんだ枝を挟むようにひもを支柱にくくりつける

[エンドウの誘引]

日照不足によって結実不良を起こしやすくなるので、十分に光が当たるようにつるの整枝と誘引をすると受光状態がよくなります。茎は中空なので折れやすく注意が必要です。

誘引前

誘引後
つるの伸びる方向をかえ、等間隔に配置する

越冬時

3月

4月

収穫期

収穫

[絹莢エンドウ]

莢の中の子実が少しふくらみ始めたころに収穫します。

[スナップエンドウ]

子実が十分ふくらんで、莢が鮮やかな緑色になってきたころに収穫。莢ごと食べられます。

[実とりエンドウ]

中の子実がふくらんで莢にしわが現れ始めたころに収穫します。いずれもとり遅れると硬くなるので、若莢での収穫を心掛けます。

連作障害

エンドウなどのマメ類は、連作を極端に嫌うため3~5年以上あけて栽培するようにします。連作をするといや地現象のため立枯病などが発生しやすくなり、前年より生育が極端に悪くなり収量が激減します。

病害虫

ハモグリバエ
3~5月に発生が多く、ハモグリバエの幼虫が葉内に潜って葉肉を食べ進み、幅1~2ミリの白い筋をつけるためエカキムシとも呼ばれます。葉内では葉裏側を食べるため、葉表より葉裏の方が目立つように見えます。多発すると葉全体や莢が白い筋だらけになり、生育が遅れたり、莢の数が少なくなります。葉内の幼虫には殺虫剤の効果が低いので、葉に白い筋がつき始めるころに農薬を散布します。

うどんこ病
春先に気温が上昇し生育が進むと、葉全体が白色の粉を振りかけたようになるうどんこ病が発生する場合があります。病気が発生するとなかなか防除できないので、定期的に薬剤散布を行なって予防するとよいでしょう。
密植や過繁茂・日照不足・乾燥した条件下で発生が多くなります。

病害や生理障害

<病気>
総監修・イラスト原図 : 駒田旦
本文監修 : 大阪府立環境農林水産総合研究所 草刈眞一
写真提供 : 岡田清嗣(KO)、草刈眞一(SK)、田中寛(YT)、中曽根渡(WN)
<害虫>
総監修 : 大阪府立環境農林水産総合研究所 田中寛 監修 : 草刈眞一、柴尾学
写真提供 : 田中寛(HT)、木村裕(YK)、池田二三高(FI)、森下正彦(MM)

Q&A

エダマメの後に育てたのですが、うまく育ちません。

エダマメと、ソラマメ・エンドウは同じ科(マメ科)なので、連作(同じ科の野菜を同じ場所で続けて栽培すること)による障害が起きたのかもしれません。連作障害は、根から出る有害物質が畑に残っていることや、病原菌やセンチュウの増加などが原因で起こる生育障害だと考えられています。マメ科野菜を育てる場合は、4~5年は同じ科の野菜を育てていない畑を選ぶことが大切です。

また、ソラマメとエンドウの根は呼吸が盛んなため、酸素が不足すると、根傷みを起こす場合があります。通気性があり、水はけのよい畑をつくるために、日頃から堆肥などの有機物を入れて土づくりを行っておくことも大切です。

春にタネをまいたら、花が咲きませんでした。

ソラマメとエンドウは、10月中旬~11月上旬(中間地)にタネまきするのが一般的。その後、小さい株で越冬し、低温に当てることにより花芽が形成されて春に開花します。そのため、気温が上がり始める春まきでは、低温を受ける期間が短く、花芽の分化が不十分で花が咲かなかったと考えられます。

春先にタネをまく場合は、中間地ではハウス内で育てたポット苗を若苗で定植し、その後の低温に当てることで花芽ができます。直まきでは温度が不足して発芽までに日数がかかるため、育苗にはハウスを利用します。越冬栽培が困難な冷涼地では、3月ごろに同様の方法でタネまきし、定植します。

茎葉が伸びると倒伏しやすくなるので、株の周りに支柱を立て、ひもなどで囲っておくとよい。

茎葉が伸びると倒伏しやすくなるので、株の周りに支柱を立て、ひもなどで囲っておくとよい。

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