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これから育てる果菜類

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これから育てる果菜類

本格的な菜園シーズンがやってきました。気に入った品種の苗がない、果菜類の苗づくりに挑戦したいという方に、これから始める苗づくりを紹介します。身近な保温資材でできる、苗づくりの入門編です。「今年はまき遅れた!」と諦めていた方も、ぜひ参考にしてください。

五十嵐  透

五十嵐いがらしとおる

東京都練馬区の農業体験農園「イガさんの畑」園主。江戸時代より続く農家に生まれ、1999年に「イガさんの畑」を開園。年間20~30品目の野菜づくりを指導する。気さくな人柄と分かりやすい栽培指導には定評がある。練馬区農業体験農園園主会会長。

簡単な保温で発芽適温を維持する

果菜類の育苗は難しいと思われがちですが、3月下旬以降なら、身の回りにある資材を利用して保温をすれば意外と手軽にできます。野菜には発芽に適した温度があり、果菜類の場合は比較的高めの25~30℃です。気温が低い2月にタネをまく場合は、発芽適温を維持するために、加温できるシートや温室、育苗器などの特別な資材や設備が必要です。しかし、3月下旬になれば気温が上がるので、加温用の設備がなくても発芽適温をキープできます。気温が高い分、生育も数日早くなります。また、自分で苗づくりをすれば、気に入った品種や、苗が出回っていない品種を育てることができます。タネは苗に比べて安価で、育苗した中からよい苗を選んで植え付けることができるのも、大きなメリットです。

今回紹介するのは、比較的苗が作りやすい野菜4種です。ウリ科のキュウリとカボチャは、育苗期間が1カ月程度と短期間でできるので、3月下旬~4月上旬にタネをまけば、通常の定植適期である4月下旬~5月上旬には畑に植えることができます。一方、トマトとミニトマトは育苗に2カ月ほど掛かるので、植え付けは5月下旬以降になります。

育苗のポイントは、保温用のトンネルの使い方です。時期や気温に合わせて開閉したり、すそを開けて外気に慣らしたりします。遅霜の恐れがある時は保温資材で覆うなどのきめ細かな手入れが必要ですが、この時期なら大がかりな設備がなくても育苗できます。タネから育てる楽しさを実感してください。

これから育てるポイント

トマト・ミニトマト

小苗を植えると株が暴れることがあるので、第1花房が開きかけか、開花しそうになるまで育てる。発芽適温20~30℃、育苗期間約60日。

タネまき 植え付け
3月下旬~4月上旬 5月下旬~6月上旬

キュウリ・カボチャ

水切れに弱いので、土が乾いたら十分に水やりする。発芽適温25~30℃、育苗期間約30日。

タネまき 植え付け
3月下旬~4月上旬 4月下旬~5月上旬

ズッキーニも同じ方法で育てられる!

タネまき

タネまきに使うのはセルトレイです。セル一つの大きさが3×3×深さ4.5cmの128穴のものを使っていますが他のサイズのものでもかまいません。必要な大きさに切って使えるので便利です。

培養土は、水はけと通気性がよく、土の粒子が細かいタネまき用のものがおすすめです。セルトレイに培養土を入れ、トレイの底をトントンと軽く打ち付けて土を落ち着かせ、トレイの縁までしっかり土を詰めます。

セルの各穴に深さ0.5~1cmの窪みをつくり、1粒ずつタネをまいて土をかぶせ、手のひらで押さえてタネと土を密着させます。よい苗を選ぶため、栽培する株数よりも多めにタネをまいておきます。1枚のトレイに複数の野菜のタネをまく場合は、区別がつくように野菜名を書いたラベルなどを付けておくとよいでしょう。

キュウリとカボチャは、タネの向きを揃えてまくと双葉が同じ方向に広がり、すべての苗に均等に日が当たるようになります。

128穴のセルトレイに1粒ずつタネまきする。

保温トンネルを作る

目の届きやすい場所や日当たりのよい畑の一角に、セルトレイを置くスペースを作ります。今後、鉢上げ後のポット苗を置くので、セルトレイよりも大きなスペースを用意してください。整地した上に断熱効果のあるシートを敷き、端にUピンなどを挿して地面に固定します。身近にあるパッキング用の気泡緩衝材や保冷用のアルミシートがよいでしょう。気泡緩衝材は気泡のある側を下(地面)に、アルミシートは銀色の面を上に向けます。

シートの上にタネをまいたセルトレイを置き、換気用の穴のあいたポリフィルムをトンネル状にかけて周囲を土に埋めます。トンネル内部の温度を測るため、温度計を入れておくのを忘れずに。

ウリ科とナス科は生育速度が違うので、両方の野菜を育てる場合は保温トンネルを二つ作るとより管理しやすいです。

保温トンネルを作る。

準備するもの

  • A128穴のセルトレイ
  • Bタネまき用の培養土
  • C換気用の穴のあいたポリフィルム
  • Dトンネル用の支柱
  • EUピン
  • F断熱性のあるシート(気泡緩衝材、アルミシートなど)
  • G温度計

さらに手軽でコンパクトに! 衣装ケースで育苗

育苗するスペースがなかったり、育てる株数が少なかったりする場合は、ふた付きの透明の衣装ケースを利用して苗づくりができます。育苗の手順はほぼ同じです。内部の温度が上がりすぎないように、ケースのふたをずらしたり、外したりして換気をします。夜間は玄関などの屋内に入れます。

水やりのポイント

セルは土の容量が少なく乾きやすいので、毎日午前中に水やりします。細かくやわらかい水流で、トレイの底から水が流れ出るまでたっぷりと与えます。夕方の水やりは土を冷やすうえ、苗が徒長する原因になるので避けます。

4月下旬以降は、株が成長して大きくなり気温も上がるため、蒸散量が増えます。土が乾いたら午前中に水をやりましょう。

【4月下旬以降・品目ごとのポイント】

  • トマト・ミニトマト→乾燥に強いため、土はやや乾きぎみにして管理。
  • キュウリ・カボチャ→毎日水やりを行う。

鉢上げ

キュウリとカボチャは本葉1枚(タネまき後約2週間)、トマトとミニトマトは本葉2~3枚(タネまき後4~5週間)で、ポリポットに鉢上げして、さらに大きく育てます。

培養土は野菜用のものを使います。ポリポットに培養土を4分の1ほど入れ、セルから大きくてがっちりとした苗を抜き出し、ポットの中心に置きます。周りに培養土を詰めて根元を押さえ、たっぷりと水やりします。根鉢を崩さないようにていねいに扱いましょう。

培養土は元肥が入っているタイプはそのまま使えますが、無肥料の場合は緩効性のIB化成3~4粒を苗の周りに置きます。

鉢上げした苗はトンネルの中に戻し、シートの上に並べます。苗が大きくなるにしたがって、徐々にポットの間隔を広げて、常に隣の苗と葉が重ならないようにします。

植え付け・病害虫対策

トマト、ミニトマトは第1花房が開きかけたころ、キュウリとカボチャは本葉2.5~3枚になったら、畑に植え付けます。植え付け前に、殺虫剤と殺菌剤を散布して無害虫、無病状態にしておくとよいでしょう。植え付け前の苗のうちに散布しておくと、集約的に作業ができるうえ、生育初期に病害虫の心配が少なく安心です。

植え付け適期の苗イメージ

トンネルの活用テクニック

保温

タネまき時や、日が出ておらず温度が低い日などは、すそを土に埋める。

換気天気のよい日中

温度計が30℃以上を示したらすそを10~15cm開ける。

トンネルの管理❶

天気のよい日中はトンネル内部が高温になるので、温度計が30℃以上を示したら、トンネルのすそを10~15cmくらい開けて風を通します。換気は、午前10時~午後3時の間に行い、夕方にはすそを元に戻します。

4月上~中旬は遅霜の心配があります。例えば、東京都心部の最低気温が5~6℃という予報が出ると、郊外では霜が降りることがあるので、夕方に毛布や気泡緩衝材のシートでトンネル全体を覆います。果菜類は霜にあうと一気に弱ってしまうので、天気予報をこまめにチェックしてください。毛布は翌朝外します。

慣らし定植の1週間前

すそを半分くらい上げて風を通す。

雨よけ5月上旬~定植

すそを巻き上げて苗の上部だけを覆う。

トンネルの管理❷

定植の1週間前に、トンネルのすそを半分くらい開けて外気に慣らします。初めの数日は、日中は開けて夜間に閉めます。次の数日は終日開けたままにして、少しずつ慣らしていきます。5月上旬になると保温は不要になりますが、このまま設置しておいて雨よけに転用します。特にトマトは雨に弱いので、苗のうちはできるだけ雨に当てないようにしましょう。

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