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高梨さゆみ(たかなしさゆみ)
イギリスでガーデニング文化の魅力に触れて以来、雑誌や本などですぐに役立つガーデニングの情報を発信。イギリスや日本全国の庭を巡るほか、日々の花散歩で見かけた「これはいい!」という植物をSNSなどでも紹介する。花苗や切り花の生産農家も訪ね、人気の花、新しい花の情報を得ると同時に栽培のアドバイスも取材。

花壇で咲かせて切り花でも楽しみたい一年草

実家の庭で、祖母、そして母と続けて花をたくさん育てるのは、切り花として利用するのが大きな目的でした。春から晩秋までさまざまな花が咲き、それを切っては仏花とし、また玄関や居間などにも花びんに挿して飾っていました。花を買うのを節約するために庭で咲かせているくらいにしか考えていませんでしたが、庭で摘んだ勢いのある花が常に室内に飾られているというのは、今思うととても贅沢なことだった気がします。庭としてのデザインはほとんど無視なのですが、花がたくさん咲き、長く咲き続ける種類を選んで育てていました。また、花びんに挿しやすいように茎が長くしっかりした花も多かったと思います。
最近では「ていねいな暮らし」というキーワードが人気を集め、摘み花アレンジを楽しむというのも、その一つと捉えられています。庭で摘んだ花ですから鮮度は抜群で、飾ったあとのもちもよく、ときには花屋さんに出回らないような珍しい花のアレンジも飾れます。もし、ご自宅の庭にスペースがあったら、切り花にするための花を選んで植えてみてはいかがでしょう。花壇として美しさを観賞し、切り花アレンジで室内を飾る。そんな楽しみ2倍の花育て、なかなか魅力的だと思います。
今回は切り花にもおすすめの一年草をピックアップしてみました。10月末くらいまではタネまきの適期なので、タネから苗をたくさん育て、遠慮なく摘めるように多めに植えつけてみてください。
キンセンカ・スター混合

ハッとするほど鮮やかな花色
早咲きの高性種で、茎が長く切り花に向く品種です。花が大きく、色鮮やかなので、花壇でも抜群の存在感。花期が6月までなので、チューリップが終わったあとの主役として利用できます。
カスミソウ・コベントガーデン

庭でふんわりと咲く姿が新鮮!
カスミソウといえば切り花アレンジの名脇役ですが、最近の品種は花がぐんと大きくなって、白が際立ちとてもきれい。これはは草丈が50~70cmあるので、切り花としても使い勝手がよい品種です。花屋さんではよく見かけますが、庭でふんわり咲いている景色はなかなか新鮮な印象です。
リモニューム・ソピア 混合

ドライフラワーとしても楽しめる
スターチスの別名でもおなじみの一年草。フレッシュな時から花はカサカサと乾いた質感で、リースやスワッグにしておくと、そのまま乾いてドライフラワーとして楽しめます。しかも花色が鮮やかに残るのが魅力。
アスター・プリンセス 混合

花もちのよさが魅力の切り花の定番
仏花の印象が強いアスターですが、最近の品種は花がとても愛らしく、庭で咲く姿も清楚な雰囲気で、個人的にアスターに注目しています。花を取り囲む緑色の萼が王冠にも見え、こんなにすてきな花だったかと魅力を再認識しています。
セントーレア・八重咲 混合

風に揺れる様に咲く姿がナチュラル
ヤグルマギク、ヤグルマソウの和名でも知られる花で、私の実家の庭でも毎年タネまきして群生させていました。しなやかな茎が風になびき、軽やかな花が揺れる景色がとてもきれい。よく分枝して花が咲くので、切り花として摘みやすい花です。