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高梨さゆみ(たかなしさゆみ)
イギリスでガーデニング文化の魅力に触れて以来、雑誌や本などですぐに役立つガーデニングの情報を発信。イギリスや日本全国の庭を巡るほか、日々の花散歩で見かけた「これはいい!」という植物をSNSなどでも紹介する。花苗や切り花の生産農家も訪ね、人気の花、新しい花の情報を得ると同時に栽培のアドバイスも取材。

個性的な球根の花が咲き出すといよいよ春到来!

一年草も宿根草もまだ咲き出す前の庭に、華やかな彩りをもたらしてくれるのが秋植え球根の数々。スイセン、ムスカリ、アネモネ、ラナンキュラス…。いずれも個性的な花形で、なんとも魅力的!観光ガーデンや花散歩の道のりで見かけるたびに、「いよいよ春が来たんだ!」と、ワクワクした気持ちになります。
秋植え球根はいずれも本格的な寒さが到来する前、11月末くらいまでに植えておく必要があります。来春の庭を賑やかにする球根たち、ぜひ植えてみてください。
まずは種類豊富なスイセンからおすすめを。観光ガーデンでこのところよく出会うのがシズクスイセンの「タリア」です。純白の花をうつむきがちに咲かせる姿には風情が感じられ、個人的に大のお気に入りの品種です。スイセンは植えっぱなしで数年楽しめるのも大きな魅力です。
最近、新しい品種が次々に登場するラナンキュラスも、庭でぜひ咲かせたい花です。つややかな花色がよく目立ち、存在感を示します。
また、栽培が比較的容易で、植えっぱなしで数年楽しめるムスカリは、春の庭に欠かせない定番。秋植え球根は暖色系が多いので、ムスカリの鮮やかなブルーはアクセントとしても効果的です。
あれもこれもと植えたくなりますが、必要な種類を絞り込み、1種類につき20〜30球をまとめて植えるのが、その花の存在感を際立たせるポイントです。
スイセン・タリア

うつむきがちに咲く気品ある花が人気
観光ガーデンでこの品種が咲いているのを見かけ、ガーデナーにこれを選んだ理由を聞いてみたら「個人的にとても風情があると感じて…」というお返事。小さめの花が主張しすぎず、ほかの花とも合わせやすいからかと思っていたら、まさかの「個人的…」という正直な答えに、誰をも魅了する美しさなのだとあらためて納得しました。
アネモネ・フルゲンス ミックス
アネモネ・フルゲンス ホワイトシェード

野趣のある原種系のアネモネがラブリー!
アネモネといえば大きな花を咲かせるコロナリアがよく知られますが、その交雑の元となったのが、原種系のフルゲンスです。花はやや小さめですが、それが野原に咲いているような可憐さを感じさせます。知り合いの庭で咲いているのを見て、とても羨ましく思いました。
ラナンキュラス・ドリーマーセット

ボリュームたっぷりの花姿がよく目立つ
新しい品種が続々登場する中、庭で見かけてあらためて魅力を感じたのがこの品種。つややかな花色で、ふんわりとしたボリューム感。長く人気が続く理由が分かった気がします。切り花ではよく見かけますが、庭で咲いているのは新鮮に感じました。
ワットソニア・ドワーフピーチ

矮性で小さな庭でも取り入れやすい
チューリップが終わったころに訪ねた観光ガーデンで、すらっと伸びる茎にしゃれた花を連ねるワットソニアを見て、「なるほど、花の時期のつなぎ目に咲いてくれるのか!」と、ガーデナーさんの花選びに感心しました。チューリップやスイセンなどとは異なる、グラジオラスのような花の付き方も新鮮。なにより糖類感のあるライラックピンクの花色が魅力的です。
ムスカリ・タッチオブスノー

トップに白花がつく姿がかわいらしい
ムスカリの基本種ともいえるアルメニアカムは育てている方も多いと思います。ちょっと変化のあるムスカリも加えたいときにおすすめなのがこの品種。下部は明るいブルーで、花房のトップは白花。白い帽子をかぶったようなさまがとてもキュートです。
一重咲きフリージア・サンドラ

離れた位置でも感じるくらいすばらしい芳香
切り花でおなじみのフリージアですが、私の散歩道ではフリージアを群生させているお宅をけっこう見かけます。ちょっと離れた位置からでも「きっとフリージアだ!」とわかるほど、あまくさわやかな香りが漂っています。黄花の「アラジン」に加え、あでやかなピンク色の「サンドラ」も咲いていて、かわいらしいピンクに惚れ惚れです。