マメ（豆）の栽培方法・育て方を種類別に解説！

マメ科野菜の根には「根粒菌」（写真1）が共生し、空気中のチッソを固定し植物にとって必要な栄養分をつくり出し供給するため、チッソの少ない土壌でも生育できます。チッソが多すぎると「木ぼけ」し、実のつきが悪くなります。ただし、インゲンは根粒菌がつきにくいので、ほかの野菜並みのチッソを与えます。また、マメ科を栽培していない畑や造成地では根粒菌が少ないので、チッソを施します。

つるあり種とつるなし種があり、それぞれに丸莢と平莢があります。つるありでは、丸莢の「ケンタッキー101」、平莢の「モロッコ」、つるなしでは、丸莢の「さつきみどり2号」、平莢の「つるなしモロッコ」が代表品種です。

直まきでは5月が適期ですが、つるなし種は7月まで順次まけば、長い間収穫を楽しむことができます。2条植えでは条間約60cm、株間約30cmとし、1カ所に3～4粒まきます（図1）。発芽後、初生葉が展開した時に間引いて2本立ちにします。

つるあり種は長い竹など2m以上の支柱を合掌式に立てます（写真2）。つるなし種では1m程度の棒を立てて倒伏を防ぎます。追肥は、草丈約20cmのころ1㎡当たり化成肥料50を施用。株元に土寄せし、さらに収穫最盛期に同量の追肥をします。

開花後10～15日で、子実の膨らみが目立つ前（写真3）に若い莢を収穫します。とり遅れると莢がかたくなり、食味も落ちるので、早めの収穫を心掛けましょう。

開花後、花の付け根にある子房柄が地中に入り、地中で実ができます。草姿がやや立ち性の中生品種「落花生」、早生品種の「郷の香（さとのか）」、中生品種の「ナカテユタカ」、晩生品種の「千葉半立ち」などもおすすめ。

1㎡当たり苦土石灰150を畑全体に散布して耕しておきます。深さ約30cmの溝を70～80cm間隔で掘り、溝1m当たり化成肥料100と堆肥2kgを施し、土とよく混ぜ込み（図2）、溝を埋め戻します。

土を掘り上げてベッド幅約30cmの畝を立て、20～25cm程度の間隔で2～3粒のタネをまきます（図3）。鳥よけの方法は、畝の上部に釣り糸などを張るほか、トンネル状にネットをかけるか、不織布でベタかけをするのもよいでしょう。

開花後に株元に土寄せをします。この土寄せは子房柄が地中に入りやすくする（写真4）ためです。

葉が黄変し、莢が膨らみ、網目がはっきりと見えたころが収穫の適期。中のマメの皮は茶色に着色しています。初めにできた莢が収穫期でも、後から開花したものはまだ未熟。収穫が遅れると、引き抜く時に熟した莢の柄が切れてしまうので、大きい粒が多い初期のものを基準に掘り時期を決めます。ゆでマメにする場合は早生品種を使うことが多く、莢が完熟する20日くらい前に収穫します（写真5）。

たんぱく質、ビタミンA、Cを多量に含み、夏の栄養補給に最適。早生品種では「あじみのり」「ビアフレンド」などがあります。風味のよい茶マメ、黒マメも人気で、茶マメでは「福成」、黒マメでは「濃姫」などがあります。

莢が膨らんで、指で押さえるとはぜるようになれば収穫期（写真8）。目安は開花から30～35日後。根ごと株を引き抜いて収穫します。

利用目的により品種の選択がされています。家庭菜園では煮豆用として、黄ダイズの「鶴の子大豆」、黒ダイズでは「丹波黒大粒大豆」が適しています。

タネまきの2週間前に1㎡当たり苦土石灰100を畑全体に散布し、よく耕しておきます。タネまき1週間前に深さ約30cmの溝を70～80cm間隔で掘り、溝1m当たり化成肥料50と堆肥1kgを施し、よく混ぜ込んでベッド幅約30cmの畝を立てます（図5）。

土寄せは新しい根の発生を促し、株が倒れることを防ぐ効果があります。開花期までに2～3回の土寄せをします（図6）。

葉が黄色になって落ちるころは莢の水分が十分少なくなっており、さらに茎が変色するころが収穫適期です（写真9）。根ごと株を抜きとるか、株元で刈りとってかけ干しし、乾燥させます。十分乾燥させて脱粒し、害虫の被害粒などをとり除きます。

草丈が2m以上に伸びるつる性の大型野菜。この名は、莢が角張っていて、断面が四角に見えることに由来しています。沖縄では「ウリズン」とも呼ばれます。

発芽適温は25～30℃なので、直まきの場合は、中間地では5月中旬ごろからが適期。条間約60cmの2条、株間約50cmとし、1カ所3～4粒まきにします（図7）。黒マルチをすれば雑草防止にも効果的です。

つるありインゲンのように2m以上の支柱を合掌式に立てて（図8）、誘引します。キュウリネットを使うとつるの誘引に便利。

開花から20日前後、莢長が15cm程度のものがやわらかく、食べ頃（写真10）。莢の生長が早いので、とり遅れに注意。