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イングリッシュガーデンの定番花を日本で上手に育てよう!

淡ピンクのゲラニューム、淡紫のネペタ、シックな赤のアスチルベ、とイングリッシュガーデン定番の宿根草が咲き揃う初夏にはナチュラルなシーンが楽しめる。

イギリスのガーデンで人気の宿根草を育ててみたい方は多いと思います。ところが日本の環境では上手に管理できずに諦めてしまうことも…。今回はスコットランド人ガーデナーのニコラス・レナハンさんに、イングリッシュガーデンでよく利用される初夏の宿根草を10種挙げていただき、それぞれの管理方法を教えていただきます。

丸山 美夏

ニコラス・レナハン

Right plant, right place.
ガーデニングの基本の教え、覚えておいてくださいね!

スコットランドのエジンバラ出身。シェフィールド大学で景観設計の学位を取得後、建築学を学び、景観デザインの道に進む。「王立ボタニカルガーデン エジンバラ」でガーデンデザインを学び、2001年に来日。以来、公共施設、個人邸などの庭を幅広く手掛ける。
[ホームページ]https://www.nico-garden.com

昨今の環境の変化で、これまでよしとされていた植え場所を見直す必要も

「Right plant, right place.」。このフレーズはイギリスでガーデニングをする誰もが基本とする教えで、適した植物を適した場所にという意味です。日本でも適材適所という同様の意味の言葉がありますが、まさにその植物版ですね。この場合のplaceはただ場所を表すだけでなく、その土地の気候や植え付け場所の日照具合、土壌の状況などを含めた環境を指します。たとえ小さな庭であっても、日当たりや風通しなどが異なる場合も多く、気をつけて観察することが大切です。
さて、そのplaceですが、これまで適しているといわれていた環境で、宿根草がうまく育たないという問題が生じています。その原因は昨今の気象状況の大きな変化です。夏の猛暑や高温期の長さ、ゲリラ雷雨などによって、それまで夏越しできていた宿根草が傷んだり、枯れたりすることも多くなっています。そんな変化に対応するためには、これまで適するとされてきた場所を再考する必要があるでしょう。例えば日当たりを好む宿根草でも、あえて木陰など強い日差しを遮ることができる場所に植えた方が夏の間も健やかな状態が保てます。私が管理している神奈川県鎌倉市の庭で、アストランティアを日なたに植えたところ、夏の終わりには傷んでしまいました。イギリスでは難しい管理など必要なく、年々大株に育ってくれるのですが…。以来、アストランティアは茂った葉の間からちらちらと日差しが差し込む程度の木陰に植えるようにしています。

高温よりむしろ多湿の方が問題
水やりは控えめにすることが大切

日本に比べるとイギリスの気候は比較的冷涼なイメージがありますが、最近では7月に40℃近くまで気温が上がる日もあり、イギリスでも夏の庭の管理に悩んでいる人が多いようです。ただ、イギリスと日本の気候の大きな違いは湿度だと感じています。来日した当初、日本の夏の湿度の高さには本当に驚きました。そんな中でもバラを上手に育てており、日本の人たちのガーデニングスキルはすごいなと感心したものです。バラはややドライぎみに管理した方が病気にもなりにくいので…。最近では湿度が高い日がさらに増えている印象ですから、多湿については注意を払う必要があります。日本では頻繁に水やりする方が多く、土壌が多湿にならないかと心配になることもあります。地植えの場合は、植え付け時から根が定着するまでは水やりをしますが、その後は水やりをほとんどしないのが基本です。イギリスでは水やりをするのは芝生くらいなものです。宿根草の中には多湿が苦手なものが多いので、水やりは最小限にし、土壌の中に湿気をためないようにすることが大切です。

上手に夏越しさせる秘訣は厚めのマルチングにあり!

強すぎる日照を避ける、特に西日が当たらない場所を選ぶこと、また風通しのよい場所を選ぶことはとても大切ですが、植え付け場所の選択肢が少ない場合もあります。その場合はマルチングをするのがおすすめです。直射で地温が高くなるのを防げると同時に、土壌の中の湿度を適度にキープすることもできます。堆肥でもウッドチップや化粧砂利などのマルチング材でもかまいません。マルチングすることで夏の宿根草の具合がかなり変わるので、ぜひ実践してみてください。
また、マルチングには雑草を生えにくくする効果もあります。日本の雑草は本当に強くて驚きます。初夏から夏にかけてのガーデナーの最大の仕事は雑草抜きではないかと思うくらい手間がかかります。その手間を多少なりとも省く効果がマルチングにはあります。
さらに、切り戻しによって暑い夏に無駄な体力を使わないようにする工夫もぜひ試してみてください。切り戻しの時期や回数は宿根草によって異なるので、それぞれのコーナーで詳しくご紹介します。

5~6cmの厚さに盛ります!
マルチングで植物の根を保護!

マルチングのポイントは、全体に薄く敷くのではなく、株ごとに根元へ集中的に、5~6cmの厚みに盛ることです。雑草を生えにくくしたい場合は、宿根草の芽が出て成長を始めたら早めにマルチングしておくようにします。その後、切り戻しのタイミングで再びマルチングをすると夏の間の高温多湿対策になります。

  • バラの根元をマルチングしているシーン。宿根草も同様の方法で。株の根元の周り約20cmくらいのスペースに5~6cmの厚さで集中的に敷くとよい。薄いと効果が出にくいので厚めにする。
    バラの根元をマルチングしているシーン。宿根草も同様の方法で。株の根元の周り約20cmくらいのスペースに5~6cmの厚さで集中的に敷くとよい。薄いと効果が出にくいので厚めにする。
  • 「草取り知らずの敷きつめ堆肥」は、1年かけてじっくり完熟させた純粋堆肥。雑草が生えにくくなるのでよく利用している。
    「草取り知らずの敷きつめ堆肥」は、1年かけてじっくり完熟させた純粋堆肥。雑草が生えにくくなるのでよく利用している。
  • バーク堆肥が主原料なのでオーガニックな香りがするのが気に入っている。
    バーク堆肥が主原料なのでオーガニックな香りがするのが気に入っている。

草丈が低めなので縁取りに使うと便利

ゲラニューム

  • フウロソウ科
  • 花期:4~6月
  • 草丈:30~70cm

草丈はそれほど高くならず、こんもりした株姿に育つので、花壇の縁取りによく利用している。ブルー、ピンク、白の花色はどれも涼しげで、ふんわりと優しい表情になるのが魅力。夏越しを考え、木陰など風通しのよい明るい日陰で、やや湿度がある土壌に植え付ける。開花が一段落する7月くらいに全体を半分くらいの高さに切り戻すと、新しく元気な葉が出て夏の暑さに耐えやすくなる。マルチングは春の芽出しと花後の切り戻し直後に行う。地上部が枯れ出す初冬に株元から2cmくらいでカットしておくと、翌年の花が多く咲くようになる。

ゲラニューム
5月下旬の温暖地の庭で咲く丸弁大輪花のʻブルックサイドʼ。

繊細な花が群れ咲くと優しい印象に

アストランティア

  • セリ科
  • 花期:5~7月
  • 草丈:30~70cm

イギリスでは手間がかからずよく咲いて大株に育つが、日本では上手に育てられないという声をよく聞く。高温多湿に弱いので、夏に傷めてしまう人も多い。木陰など風通しのよい明るい日陰に植え、水やりをしすぎて土壌が多湿にならないように気をつけて管理する。花がらをこまめに摘むようにし、花が一段落したら半分くらいの高さに切り戻す。春の芽出しの時期と花後の切り戻し時にマルチングを厚めにし、夏に地温が高くならないようにするとよい。耐寒性は強いので、晩秋に根元から2cmくらいでカットして冬越しさせる。

アストランティア
よく利用されるのはマヨール種の園芸種。白や赤の花色もある。

花穂だけではなく葉形も美しく魅力的

アスチルベ

  • ユキノシタ科
  • 花期:5~6月
  • 草丈:60~100cm

花穂が何本も立ち上がると見応えのある姿になるので、日本でももっと利用してほしい宿根草の一つ。葉も美しく適度に広がって茂るので、植物同士をつなぐ役目に適している。温暖地では風通しのよい明るい日陰に植え、春の芽出しの時期と梅雨明けごろにマルチングをするとよい。冷涼な気候であれば日当たりのよい場所でも夏越しできるが、保水性、保湿性共によい土壌に植え、乾燥させないように気をつける。咲き終わった花穂を切らずにそのまま残しておくと、枯れ姿が美しいシードヘッドとして楽しめる。初冬に株元から2cmくらいでカットして冬越しさせる。

アスチルベ
あでやかなピンクの花穂が美しい‘ブレッシンガム ビューティ’。

夏の暑さにも負けず頼りになる花

ネペタ

  • シソ科
  • 花期:4~10月
  • 草丈:20~100cm

イギリスの庭では必ず見かける宿根草。花壇の縁に植えるとドーム状に広がってナチュラルな雰囲気になる。よく利用されるのは丈夫な性質だからで、日本の高温多湿でもよく育ち、年々大株になる。花期が長いので、何を植えようか迷った時にはこれを植えておくのがおすすめ。日当たり、風通し共によい場所で、水はけのよい土壌に植える。明るい日陰でも育つ。夏前に花が一段落したら全体を半分くらいの高さに切り戻す。この時ドーム状をキープしたままカットするとその後の株姿がきれいになる。初冬に根元から2cmくらいでカットする。

ネペタ
‘シックスヒルズジャイアント’は花が大きく、ブルーがよく目立つ。

可憐な花がナチュラルガーデンに似合う

スカビオサ

  • スイカズラ科
  • 花期:5~10月
  • 草丈:40~100cm

マツムシソウの和名で日本でも親しまれ、真ん中が盛り上がるアトロプルプレアと大輪でひらひらした花形のコーカシカがよく利用される。冷涼な気候を好むので、温暖地では夏越しに工夫が必要だが、花が咲くととたんに庭がナチュラルな雰囲気になる魅力があるので、ぜひトライしてみてほしい。日当たりと風通しのよい場所が基本。高温多湿が苦手なので、春の花が一段落する梅雨明けごろにマルチングを厚めにして地温の上昇を防ぐとよい。花がらはこまめに摘み取る。晩秋に根元から2cmくらいでカットする。耐寒性が強いので防寒対策しなくても冬越し可能。

スカビオサ
コーカシカの園芸品種‘ファーマディープブルー’。
スカビオサ
こんもりと盛り上がるような花形のアトロプルプレア。

個性的なメタリックブルーがクール

エリンジューム

  • セリ科
  • 花期:6月中旬~8月
  • 草丈:40~120cm

個人的にとても好きな花で、ブルーの花を選ぶ時にはこれを加えることが多い。光沢感のある花色だけでなく、花形も個性的でガーデンにインパクトを与える。日当たりがよく、やや乾燥ぎみの土壌に植える。植え付け時にたっぷり水やりした後は、水やりは控えめに。花後の切り戻しは必要ないが、こぼれダネで殖えるのを防ぐ場合には、花が一段落したら半分くらいでカットするとよい。花がらもおもしろい形なのでシードヘッドを楽しみ、晩秋に根元から2cmくらいでカットする。直根性で移植を嫌うため、植え直す場合は根を傷めないように注意する。

エリンジューム
花が大きく、濃いブルーがあざやかな‘ビッグブルー’をグラスと組み合わせたさわやかな景色。

淡い水色と繊細な糸葉が魅力的

アムソニア

  • キョウチクトウ科
  • 花期:5~7月
  • 草丈:60~90cm

日本ではエリプティカがチョウジソウの和名で知られるが、イギリスでは繊細な糸葉のフブリヒティがよく使われる。日本でも入手できるので、ぜひ利用してみてほしい。涼しげな水色の花が終わった後も、葉が茂る姿にフレッシュ感があるのが魅力。耐暑性、耐寒性があり、夏越しもそれほど手がかからない。花後の切り戻しは必要ないが、温暖地で草丈が伸びすぎた場合は、半分くらいに切り戻すとよい。生育がゆっくりで大株に育つまでは数年かかるが、見事な株姿を見せてくれるので楽しみに待つのがおすすめ。

アムソニア
糸葉が茂る姿が優しい雰囲気のフブリヒティ。

ストレートな茎が密集する株姿も美しい

ラベンダー

  • シソ科
  • 花期:5~6月
  • 草丈:30~50cm

イングリッシュラベンダーは花期は短いものの、香りがよく、この花を見るとイギリスに帰った気分になる。フレンチ種は秋まで咲き続ける品種もある。冷涼な環境を好むので、温暖地では夏越しに工夫が必要。風通しがよく、西日が当たらない場所に植え、春と花後に厚めにマルチングをする。花後に上から3分の1くらいで切り戻しておく。地植えにせず、鉢に植えて庭の中に置いて花を楽しむのも一つの手。暑さが厳しい時期は風通しのよい日陰に移動して管理する。鉢植えの場合もドライぎみに管理するように気をつける。

ラベンダー
花茎が何本も立ち上がり、まとまりのよい株姿に。

存在感ある草姿で初心者にもおすすめ

ペンステモン

  • オオバコ科
  • 花期:6~7月
  • 草丈:20~100cm

イギリスの実家でよく咲かせていた思い出の花。イギリスではパステルカラーなども多く利用されるが、日本では銅葉の‘ハスカーレッド’が人気で、私もよく利用する。日当たり、風通しのよい場所に植え、やや乾燥ぎみに管理すると夏越ししやすい。春と花後にマルチングをしておくとよい。小さな庭では花後に半分くらいに切り戻すが、広い庭なら花がらをそのまま残し、枯れ姿を楽しむのもおすすめ。初冬に根元から2cmくらいでカットする。宿根草としては寿命は短めだが、こぼれダネで殖えることもある。

ペンステモン
ʻハスカーレッドʼは茎が黒みがかった紫で、葉も徐々に同じ色みになっていく。淡いピンクの花とのコントラストが美しい。

高さを生かして美しい景色を生み出す

ベロニカストラム

  • ゴマノハグサ科
  • 花期:6~8月
  • 草丈:80~120cm

日本固有種のクガイソウもベロニカストラムの一種だが、イギリスでは草丈がより高くなるシビリカムがよく使われ、最近日本でも人気となっている。どちらもスマートな花穂が立ち上がる草姿が魅力で、植栽の後方に加えると奥行き感を出せる。固有種のクガイソウは高温多湿をそれほど気にしないが、シビリカムは冷涼な気候を好むので、日当たり、風通し共によい場所に植え、多湿にならないように気をつける。草丈を抑えたい場合は、花が咲き出す前の5月に少し切り戻しておくと、開花は少し遅れるが程よい高さで咲く。初冬に根元から2cmくらいでカットする。2~3年ごとに春に株分けを行う。

ベロニカストラム
シビリカムの白花は清潔感があり、華やかな雰囲気。どんな花色とも合わせやすい。
ベロニカストラム
淡紫の花穂が立ち並ぶ草姿が涼しげなシビリカム。
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