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春の補色でも間に合う! 初夏の庭で咲かせたい花

丸山 美夏

丸山 まるやま 美夏 みか

恵泉女学園短期大学(現在は大学に統合)
園芸生活学科卒業。恵泉園芸センター・奥沢ガーデン店長を経て独立。2001年より仲間と「moG」を立ち上げ、個人宅のガーデン設計、管理を行うかたわら、母校のキャンパスガーデンの管理ほか、コミュニティガーデンの指導などを行う。川崎市や町田市の公園で花壇管理や花壇づくり講座も行う。那須高原で庭仕事を始め、2拠点生活を模索中。Instagram(@moggardendesign)で活動を紹介している。

春から初夏にかけて次々と咲く宿根草には、花壇の風景を日々ドラマチックに変えてくれる効果があります。秋植え球根が咲き終わり、冬から春の花壇を長く彩ってくれたパンジーが少し疲れてくるころ、冬の間はひっそり姿を潜めていた宿根草類が次々と葉を展開させ、花を咲かせてくれます。 花壇に宿根草を取り入れるメリットは、植え替えの手間を省くだけではありません。自分の庭から、季節の移り変わりや命のつながりを感じられることは、庭づくりの大きな喜びだと思います。 初夏に咲く宿根草は年内に植え付けて寒さを経験させ、冬に根をしっかり張らせて春を待つのが基本です。春に根づいて株が大きくなれば、猛暑の夏を越す体力がつきます。 とはいえ、宿根草を植え付ける時期は、秋限定ではありません。ガーデンが華やぎ始める春になって、「これを咲かせてみたい!」という種類が見つかることもよくあります。ガーデニングにはNGはあっても「こうでなくてはいけない」というルールはありません。植えたい宿根草を見つけた時が植え時と考え、花壇に補植してみてください。温暖地では4月上中旬、寒冷地では遅霜の心配がなくなる4月下旬に苗を植え足すのがおすすめです。地面が見えて気になるスペースに、ぜひお気に入りの花を加えてみてください。

ポイントになる花を足したいなら…

スペースの大きさにかかわらず、コンテナだけであってもあらかじめテーマを決めておくと花選びで迷うことが少なくなります。ちなみに私は色(カラースキーム)にこだわって花壇をコーディネートしますが、その中に自然に視線を集めるポイントの花があると、眺める景色にメリハリが生まれます。サイズが大きめで人目を引きつける花が向いているものの、毎日眺める花壇ですから、ポイントになる花にこそ自分のお気に入りを取り入れましょう。私のお気に入りの中からは、アネモネʻワイルドスワンʼとセントーレアʻアメジストインスノーʼの2種をピックアップして紹介します。

アネモネ・ワイルドスワン

アネモネ・ワイルドスワン

初めて見た時、シュウメイギクが
なぜ初夏に咲いているの?と思いました。

アネモネ‘ワイルドスワン’は、植えて1年目の株にふんわりした花が複数輪咲く。株姿がコンパクトに整い、花後も美しい草姿を見せてくれる。
アネモネ‘ワイルドスワン’は、植えて1年目の株にふんわりした花が複数輪咲く。株姿がコンパクトに整い、花後も美しい草姿を見せてくれる。

シュウメイギクとアネモネの原種の交配種で、一重の白い花弁の外側が淡青紫色と、とてもしゃれている。茎のラインが細く、風に揺れる姿はナチュラルガーデンによく似合う。高温多湿がやや苦手なので、風通しのよい明るい半日陰に植えると、調子よく秋まで長く咲いてくれる。キンポウゲ科。

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セントーレア・アメジストインスノー

セントーレア・アメジストインスノー

春花壇の後方で咲くことの多い一年草のヤグルマギクの仲間だが、ʻアメジストインスノーʼは宿根タイプ。白とアメジスト色の繊細な花色が、春のやわらかな日差しによく似合う。草丈が低めなので花壇の前方に植えると、大きめの花がよく目立つ。シルバーがかる葉も美しい。ヨーロッパ原産で多湿にやや弱いため、風通しのよい所に植えるとよい。キク科。

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ブルーを差し色に加えたいなら…

黄色やピンクなど暖色系の花色が多い春の花壇にブルーが加わると、一気に洗練された雰囲気に変わります。早春に花茎をすっと伸ばし、さわやかな青い小花を咲かせるチョウジソウやシノグロッサム(シナワスレナグサ)は、ブルー好きの私をとても幸せな気分にしてくれます。初夏に咲く花では、涼しげなブルーのアガパンサスがおすすめです。ブルーの花はどの花色とも調和しやすく、主張もしっかりします。花壇にちょっとしたスペースを見つけたら、ブルーの花をぜひ足してみてください。

アガパンサス・アフリカヌス ビッタータス

アガパンサス・アフリカヌス ビッタータス

スマートな株姿も魅力的。
背景のピンクや黄色の花ともよく似合います。

暑さや乾燥に強い丈夫な宿根草で、これは大型の斑入り葉の常緑種。初夏に花茎が伸び、青い花火のような大きな玉状の花を咲かせる。青い花と白い斑入り葉の組み合わせは、気温も湿度も上がる初夏にさわやかな印象を与えてくれる。アガパンサスの花房は面にならず奥が抜けるので、ほかの植物の邪魔になりにくく使い勝手がよい。ヒガンバナ科。

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アムソニア・フブリヒティー

アムソニア・フブリヒティー

ほかの花色とも合わせやすく、
さわやかな空を連想させる花色が魅力です。

繊細な葉が黄色くなる秋の美しさも魅力。
繊細な葉が黄色くなる秋の美しさも魅力。

日本に自生するチョウジソウの仲間で、葉が糸のように細いので、「イトバチョウジソウ」の和名も。毎年期待を裏切らず、淡い水色の星形の小花を咲かせ、初夏の訪れを告げてくれる。秋には美しい黄葉も楽しめる。キョウチクトウ科。

※こちらの商品は現在取り扱いがございません。

半日陰に花が欲しいなら…

半日陰の花壇では、華やかな花を咲かせる植物は少ないものの、カラーリーフと呼ばれる葉色や姿の美しさが際立つ植物が活躍します。葉の色や形が異なるものを隣に植えると、リーフプランツだけでもメリハリが出て通年楽しめる空間になります。白い斑であったり、白やピンクの明るい花色は、しっとりと薄暗いイメージのシェードガーデンを明るく軽やかな雰囲気にしてくれます。また、半日陰でも咲く花には、控えめながら美しさのあるものが多くあります。ここでは半日陰を華やかに演出するおすすめの宿根草を紹介します。

アスチルベ・ブラックパールズ

アネモネ・ワイルドスワン

華やかな花色があるアスチルベは、
半日陰の庭でもっと利用したい植物。

アスチルベ・ブラックパールズ

アスチルベは日本にも自生するショウマの仲間で、寒さはもちろん暑さにも強く、年々株が大きくなり1株でも空きスペースを埋めてくれる。ʻブラックパールズʼはラベンダーピンクの花が魅力的で、開花すると半日陰の景色が華やかに一変し、咲き進むと少しくすんだパープルになる。大型のホスタ、アジサイʻアナベルʼなどと合わせると、地味な印象のシェードガーデンをダイナミックに演出できる。ユキノシタ科。

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ホスタ・ファイヤーアイランド

ホスタ・ファイヤーアイランド
※写真はイメージです。葉色は季節により多様に変化します。

木もれ日を受けてキラキラと輝くライム色の葉がとても美しい。どんな植物とも花色合わせの相性がよいのも魅力。ホスタの花色は白〜淡青が多い中、淡ラベンダー色の花が咲く意外性も楽しい。キジカクシ科。

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ヒューケレラ・ピンクレボリューション

ヒューケレラ・ピンクレボリューション

ヒューケラとティアレアの交配種で、両種のいいとこ取りともいえる性質をもつ。本種は鮮やかなピンク色の花が密に次々と咲き、半日陰の花壇に華やぎをもたらす。ティアレアの野趣味を残しつつ、多花性で存在感がある。株が成熟するにつれ、深い切れ込みのある葉はシルバーがかり、紫色の葉脈がくっきり見え、カラーリーフとしても魅力的。ユキノシタ科。

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花壇をふんわりボリュームアップさせたいなら…

花と花の間にスペースがあり、土面が見えてしまうのが気になることがよくあります。そんな場合は、小花がふんわり広がるように咲く宿根草を加えるのがおすすめです。私がよく利用するのはタナセタム・ニベウムのʻジャックポットʼという品種で、植え付け後まもなく白い小花がたくさん咲いてくれ、翌年はさらに充実してあふれるように咲きます。また、少し個性的な花でふんわりとした印象なのが、ユーフォルビアʻアスコットレインボーʼです。軽やかな黄緑色はどんな花色とも合わせやすく、花後も斑入り葉が花壇を明るい印象にしてくれます。

タナセタム・ニベウム ジャックポット

タナセタム・ニベウム ジャックポット

春先に植えれば、
すぐに花がたくさん咲きますよ!

よく分枝し、白い小花をたくさん咲かせる。シルバーリーフの細かい葉で、花壇にこの花が咲くと、ぱっと明るく軽やかな雰囲気に。ジョチュウギクの仲間で、ヨモギのような香りがする。ハーブガーデンやローズガーデンとも相性がよい。花つきがよいので切り花にも利用できる。キク科。

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ユーフォルビア・アスコットレインボー

ユーフォルビア・アスコットレインボー
黄緑色に赤の花芯がしゃれた印象。
春の芽出しは赤みを帯びる。
春の芽出しは赤みを帯びる。

春花壇が盛り上がる4月から開花する。ユニークな花と草姿だが、不思議と軽やかな春花壇に溶け込む。乾燥に強くコンパクトにまとまり、黄斑のある葉はカラーリーフとして通年楽しめ、秋には紅葉もする。耐暑性、耐寒性に優れ、丈夫で育てやすい。トウダイグサ科。

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花壇の縁を彩る花が欲しいなら…

花壇を縁取る花があると、花壇全体がナチュラルな雰囲気に見えます。これには草丈が低く、這うように成長する宿根草を選ぶのがおすすめ! 中でもベロニカʻオックスフォードブルーʼは、鮮やかな青紫の花が縁取りとなり、花壇の花色をより引き立ててくれます。

ベロニカ・オックスフォードブルー

ベロニカ・オックスフォードブルー

鮮やかな青紫に
白目の花がかわいらしい!

這うように広がる性質で、小さな青い花をこぼれ落ちるようにたくさん咲かせる。ブロンズを帯びたシックな葉も魅力的。猛暑は苦手なので、庭植えならレンガなどで植栽枡を少し高くして風通しをよくし、伸びすぎた枝は整理するとよい。鉢植えやハンギングバスケットにも利用できる。オオバコ科。

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宿根イベリス・キャンディーピンク

宿根イベリス・キャンディーピンク

イベリスには一年草もあるが、これは宿根タイプでこんもりと花を咲かせる。咲き始めは淡いピンクで咲き進むと白になり、そのミックスの状態がとてもかわいらしい。常緑のしっかりした葉で、花壇の前方の足元を少し隠したい時に利用すると効果的。アブラナ科。

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壁際や背景を花で隠したいなら…

日本の庭は狭く、庭の背景が味気ない壁というのはよくあることです。庭や花壇の後方のデッドスペースをどうするか? そんな時には常緑のやや大型になる宿根草を利用するのも一案。樹木と違い、宿根草なら株分けしながら、サイズをある程度コントロールできます。私がよく利用するのはアカンサス。長い花穂が目を引き、大きな葉も花壇の背景になります。

アカンサス・モーニングキャンドル

ベロニカ・オックスフォードブルー
無機質なコンクリート壁も、アカンサスの花色の背景にするとしゃれた印象に。
無機質なコンクリート壁も、アカンサスの花色の背景にするとしゃれた印象に。

原種のモリスとスピノサスの交配種で、白い花弁と赤紫の萼とのコントラストがおしゃれ。暑さ寒さに強く、半日陰でも育つ。深い切り込みのある葉は常緑で光沢があり、古代ギリシャの装飾にも使われている。キツネノマゴ科。

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