はじめての家庭菜園

STEP1 土づくり
家庭菜園をはじめてしばらくたった人が、口をそろえていうのが土の大切さ。初心者は土であれば何でもよいように考えてしまいがちですが、そんなことはありません。
土づくりが成功すれば、野菜づくりは半分以上うまくいくと考えてもよいくらいです。
なぜ土づくりが大事なのか?
それは、野菜の生育を支える根の活動や生長に、土はとても重要だからです。根は土から養分、水分を吸収し、自身を大きく育てるだけでなく、葉や茎が倒れないように支える役目も持っています。そのためには、根をしっかり張らすことのできる土づくりが必要です。土づくりに必要なポイントは、酸度調整、堆肥。難しく考えることはありません。最初の土づくりをしっかりとしましょう。
1酸度調整 ~石灰資材で土を中性に~
野菜の生育に適正な土壌酸度は種類によって異なりますが、大体は中性のpH6.0~6.5くらいが適しています。ただし、放っておくと雨により通常は酸性に傾いてきますので、アルカリ性資材を投入する必要があります。家庭菜園では苦土石灰が利用しやすいでしょう。種まきや植え付けの1カ月前に苦土石灰などを畑に散布し土とよく混ぜ合わせながら耕します。散布量は畑の酸度にもよりますが、1㎡あたり100~200gが目安です。
注意:チッソ肥料と、消石灰等の強い石灰分を混ぜ合わせるとチッソ分が化学反応をして損失してしまう可能性があります。2週間程日にちをおいてから利用して下さい。
レベルアップ!
野菜によって酸性に対する強さが違います。石灰資材の量に注意しましょう。
酸性に弱い・・・ホウレンソウ、タマネギ等 石灰資材必要
酸性に強い・・・ジャガイモ、スイカ等 石灰資材不要
※酸度が極端に高い場合には調整が必要です。
2堆肥 ~堆肥で土をふかふかに~
よい土とは、水はけがよく、通気性がよく、保水性がよく、保肥性がよい土をいいます。このような条件を兼ね備えているのが、団粒構造の土です。堆肥は土をふかふかにして団粒構造をつくります。タネまき、植え付けの2週間前まで使用量は1㎡あたり約2kgです。
注意:必ず完熟しているものを利用しましょう。

オススメ堆肥
レベルアップ!
堆肥には動物性と植物性の2種類があります。
肥料の含有成分の割合
※成分構成は肥料メーカーによって多少異なります。
チッソ | リンサン | カリ | ||
---|---|---|---|---|
動物性堆肥 | 牛フン堆肥 | 2~2.5 | 1~5 | 1~2.5 |
鶏フン堆肥 | 3~5 | 5~9 | 3~4 | |
植物性堆肥 | バーク堆肥 | 0.8~3 | 0.2~2 | 0.3~1 |
腐葉土 | 0.3~1 | 0.1~1 | 0.2~1.5 |
STEP2 肥料
1肥料で野菜に栄養を
野菜が生育する為には肥料が必要です。肥料には大きくはチッソ、リンサン、カリと3つの成分があり、チッソは葉と茎、リンサンは花と実、カリは根等の生育に影響を与えます。野菜によって求める肥料の量が違う為、適切な量を把握し与えましょう。また肥料は大きく分けて有機肥料と化学肥料の2種類があります。有機肥料は効果がゆっくりしており、化学肥料は効果が早く、利用しやすい特徴があります。どちらも一長一短がありますが、オススメするのは有機と化成を加工した有機化成肥料です。栽培する野菜にあわせて種類と量を使い分けしましょう。
オススメ肥料
レベルアップ!
肥料に記載のある数字は肥料分を表しています。10-15-12であれば、チッソが10%,リンサンが15%、カリが12%含まれている事を意味します。1平方メートル当たり10gのチッソ成分が必要であれば10-15-12の肥料を100g与えれば良い事になります。
10g(チッソ成分量)=100g(肥料の量)×10%
肥料選びに役立つので覚えておいて下さい。

プランター栽培にオススメ
STEP3 種まき
野菜の初期の栽培方法は大きく分けて2つの方法があります。直接種をまく「直まき」とポット等で苗を育てる「育苗」です。野菜の種類によって使い分けをしましょう。
1直まき
直まきには2種類の方法があります。大きく育つ野菜は一定の間隔毎に数粒ずつ種をまく「点まき」と、一定の幅に条をきり種をまく「条まき」です。いずれも適期に間引を行い、健全な苗を育てるのがポイントです。


暑い時期の発芽に
2育苗
育苗方法は大きくわけて2種類の方法があります。畑にまき床をつくり苗を育苗する方法、ポットやトレイで育苗する方法です。野菜の種類と管理にあわせて使い分けをしましょう。
■まき床への種まき
キャベツ、ブロッコリー等で大量に苗作りを行う場合や、タマネギの苗づくりはまき床を利用します。キャベツ、ブロッコリー等は本葉2~3枚でポットに移植、その後6~7枚で定植となります。

■ポット、セルトレイでの育苗(ハクサイ、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、レタス)
苗の量が多い場合はセルトレイ、少ない場合はポットでの育苗を行います。セルトレイ栽培の場合は土の量が少なく乾きやすい為水分管理に注意が必要です。
ポット
6~7.5cmポットに種子を3~5粒まく。本葉2枚頃に1本立ちにする。本葉5~6枚で定植。

セルトレイ
葉菜類には128穴が適当です。1穴に1~2粒たねまき本葉2枚までに1本にします。本葉3~4枚で定植。

ポットでオススメ資材
セルトレイでオススメ資材
ポットでオススメ資材
セルトレイでオススメ資材
STEP4 植え付け
土づくりが終わり、種や苗の準備ができましたら、いよいよ植え付けです。畝づくりと植え付け間隔に気をつけて栽培をしましょう。

植付基準 | 畝幅 | 株間 | 条間 | 条数 |
---|---|---|---|---|
キャベツ | 90 | 35~40 | 50 | 2 |
ブロッコリ | 90 | 35~40 | 50 | 2 |
ハクサイ | 60 | 40~45 | 1 | |
レタス | 60 | 30 | 30 | 2 |
ダイコン | 100 | 25 | 40 | 2 |
ニンジン | 70 | 5~10 | 20 | 2 |
タマネギ | 140 | 10 | 20 | 4 |