ビワは果樹の中では虫害が少ない方ですが、夏にモンクロシャチホコが発生することがあり、この虫は集団で発生し、数日で葉を食べ尽くして丸坊主にしてしまいます。葉裏に数百個の卵を固めて産み、若い幼虫は赤褐色で、集団で生活するので幼虫数が多く、少し大きくなると全体に広がり、葉を食べ尽くすのです。この虫は、孵化直後や幼齢期の時は群がって生活しているので、その枝葉を剪除するのが非常に有効ですが、広がってしまったら早めに殺虫剤を散布してください。老熟幼虫は紫黒色になり地上に降りて地中で蛹となり越冬するので、駆除が完全でなければ毎年発生しやすくなります。

　被害がひどいと枝を枯死させ、木に大きなダメージを与えるため、果実を肥大させるだけの樹勢がなくなり、小さな実のままで枯れ落ちてしまいます。

　このほか、果実の病気として、灰斑病、灰星病、炭そ病などがありますが、その場合は果実が腐敗したようになり、褐色～黒色になってくるものがありますので、見極めて適切な薬剤を散布し防除してください。