カボチャには大きく分けて３種類あります。古くから栽培されてきたのは、水っぽくて甘みの少ない日本カボチャでした。それに比べて現在では、甘みの多い西洋カボチャが最も広く栽培され、さらに近年ではつるなしのズッキーニなどのぺポカボチャが増えてきています。

　これらの３種のカボチャは異なった種類で、お互いの間で普通には交雑はできません。しかし、日本カボチャと西洋カボチャ、あるいはぺポカボチャとの間では、品種の組みあわせによっては雑種ができます。また、３種のグループ内には多くの品種があり、その品種間では交雑が起こり、雑種が育成されています。

　カボチャは早朝に受精するため、訪花昆虫がいなければ人工授粉が必要です。もし異なる品種間で受精して交雑が起こっても、カボチャの果実は偽果といって、食べているのは子房をとり巻く花床の肥大した部分だけです。受精してできたタネとその周辺は、食べられずに除かれますから、できた果実は利用上特に問題はありません。