8月咲き、9月咲きなど、品種によってキクの開花期は異なりますが、何故かその開花期に花が咲きません。どうしてでしょうか。
8月咲き、9月咲きなど、品種によってキクの開花期は異なりますが、何故かその開花期に花が咲きません。どうしてでしょうか。
キクには自然に開花する時期により、夏ギク(4~6月)・夏秋ギク(7~9月)・秋ギク(10~11月)・寒ギク(12月~)の品種群に分けられます。夏秋ギクや秋ギクは初秋以降、日の長さが短くなると花芽分化し開花します。これらの性質を短日性といいますが、品種によって日長に対する感応度が異なり、一定の日長(限界日長)より短くならないと花芽分化しません。なお、この日長以外に、株の幼若性や温度も関係があるものもあります。
夏秋ギクの限界日長が中生種(8月咲き)では17時間、晩生種(9月咲き)は16時間といわれます。幼若性というのは植物が生長を始めてから花芽分化に適した環境条件を与えられても、一定期間栄養生長を続ける性質で、この期間を幼若相といいます。この性質はキクの中でも夏秋ギクは長い傾向があり、株の成熟度が必要なのです。
さらに生育期間中に温度が限界低温になる必要があります。夏秋ギクは16~18℃が必要で、このような条件が整うと花芽が分化し開花します。
ハウスや施設を利用しない普通の栽培なら8、9月にはこの条件はほとんど満たされるはずですが、花芽分化後の高温が続くと開花が遅れることがあります。また、特に気をつけてほしいのは、栽培場に夜間照明の光が当たらないこと。少しの光でもよく感応し開花が遅れたりします。