ヤマユリを植え付けましたが、芽が出てきません。何がいけなかったでしょうか。
ヤマユリを植え付けましたが、芽が出てきません。何がいけなかったでしょうか。
ユリが春になっても芽が出ないのは、大きく二つの理由が考えられます。まず、傷ついた球根や、保管中に乾燥しすぎて弱った球根を、通気や排水が不良で多湿(潅水過多)な土壌に植えた際に、土中で腐ってしまう生理的な場合が挙げられます。
またウイルスや病菌によるケースもあります。病菌に侵された球根は、鱗片にかびや病斑跡、干からびなどが見られるので、健全な球根を選別できますが、ウイルスの場合は外見から判別するのが困難です。
ユリはウイルスに感染しやすい性質をもち、特にヤマユリの成球は感染の度合が高いといわれることもあります。ただユリが健全に生育すれば、潜伏しても発症しない場合が多いです。
ウイルスの症状としては、一般には葉にモザイク斑が出て縮れや奇形になり、葉色が悪く生長も悪くなってきて、球根の肥大が少なくなります。罹患球と知らずに植えると、ひどい場合は発芽せずに腐ってしまうことがあります。
ウイルスは防除法がないため、ウイルスを発病させない環境づくりや管理が必要です。強光(日照過多)や高温で株を弱らせたり、多湿(排水不良)や肥料過多の場合に、ウイルスが発病しやすくなります。またウイルスはアブラムシが媒介することが多いので、虫の発生を見つけたら早めに防除し、病徴の出たものはすぐに抜きとり処分しましょう。