毎年この時期になるとジャーマンアイリスの球根が腐ってしまいます。原因と対策を教えてください。
毎年この時期になるとジャーマンアイリスの球根が腐ってしまいます。原因と対策を教えてください。
ジャーマンアイリスは地中海沿岸の原種を中心に交配を繰り返し、毎年多くの品種が作られています。自生地は冬季に雨が降りますが、春の生育期から夏の高温期、秋までの間は雨がほとんど降らない地中海性気候です。根茎に水や栄養を取り込み貯めているので、乾燥には至って強い性質をもちますが、日本の夏は苦手で、株が弱ってしまいがちです。
高温期に過湿、排水不良になると根腐れが生じやすく株が弱って傷つき、さらに進むと葉の付け根から突然倒れ、根茎がドロドロになって腐ってきます。これが軟腐病といわれるもので、細菌により発症します。
対策としては、排水をよくしておき根を健全に保つとともに、根部を不必要に傷つけないことが第一で、肥料過多にしないことも大切です。何年も植えっぱなしにしていると、土がしまって水はけが悪くなる場合もあり、軟腐病が発生しやすくなります。そのため3~4年ごとに植え替えるようにします。
さらに軟腐病が発生しやすい多湿な所や、以前に発生したことのある地などでは、梅雨入り前の6月に掘り上げ、葉を切らずに束ねて軒下などにつるします。そのまま夏を越し、秋に入って9月に植え付けます。酸性土壌を嫌うので、植え場所には事前に石灰を混入し、なるべく高畝にして排水をよくしておきます。
根茎は半分くらい地上に出るような浅植えにすることが大事です。水やりは植え付け直後に行うだけで、その後は不要です。肥料はチッソ分過多は軟腐病の発生が多くなるので、PK化成などのリン酸とカリ分を中心としたものを与えましょう。