pHによってアジサイの花色が変わると聞きましたが、具体的にどのようにすれば青や赤の花色をきれいに出せるのでしょうか。
pHによってアジサイの花色が変わると聞きましたが、具体的にどのようにすれば青や赤の花色をきれいに出せるのでしょうか。
アジサイの花色、すなわちがくの色は、土壌酸度(pH)により変わり、栽培土壌が酸性では青っぽくなり、中性からアルカリ性では赤っぽい色になります。花の発色にはアントシアニンという色素と、発色に影響のある補助色素や土壌中のアルミニウムイオンの量が主に関係します。
土壌にはもともとアルミニウムが含まれていますが、酸性では水に溶けやすくなり根からよく吸収され、花の中のアントシアニンに作用して花色は青系に発色します。一方、アルカリ性ではアルミニウムが溶けにくくなるので吸収量が少なく、アントシアニン本来の色みである赤系に発色します。この性質を利用して土壌の酸度を調整することにより、花色を多少変えることができます。
土壌を酸性化するには用土に「ピートモス」のような酸度の強い材料を混合します。ピートモスは酸度を調整していない強酸性のものを用いるようにします。また、ミョウバンなど「硫酸アルミニウム」を用いる方法もあります。この場合、ミョウバンの500~1000倍液を、春から開花前までに2~3回、20日おきくらいに与えます。
土壌をアルカリ化するには消石灰や苦土石灰などの石灰質資材を混用します。この場合は春に1回、苦土石灰30~50g を株元にすき込みます。
ただし、青色系の品種は土壌を酸性化することできれいな青色を発色しますが、アルカリ化するとにごった赤紫色になりやすいです。同様に赤色系の品種を酸性化した土壌で栽培すると、きれいな青にはなりにくいです。
なお、品種やそのほかの条件によって発色にはばらつきがあります。ヤマアジサイ系のものや白花系の品種は酸度の影響を受けにくいといわれています。また、肥料でも硫安、塩化カリなどの生理的酸性肥料や、熔成リン肥などのアルカリ性肥料の連用でもpHに影響します。