サツマイモを収穫したらイモができていません。なぜですか。
サツマイモを収穫したらイモができていません。なぜですか。
つるや葉はしっかりできているのに、掘り上げてみるとイモができていないことがあります。この現象のほとんどは「つるぼけ」といい、葉や茎が茂りすぎてイモ(根)に養分がいかないことが原因です。本来は根を肥大させるために光合成で作り出される養分が、葉や茎の生長に使われてしまうために起こります。
サツマイモは、もともとやせ土でもよく育ちます。つるぼけが発生しやすい原因として挙げられるのは、元肥にチッソ肥料が多い場合や前作の残肥による場合、油かす、鶏ふんなどの有機質が多い場合です。また、つるの途中から根(不定根)が多く出て養分が分散される場合や、曇雨天が続いて排水不良になったり、土壌の水分過剰で徒長ぎみに生育した時にも、つるぼけしやすくなります。
対策としては、畑は日当たりがよく、水はけのよい場所を選び、高畝にします。元肥はカリとリン酸を主体にした肥料を施し、前作の残肥が考えられる場合には無肥料とします。つるが茂ってきたら何度かつるを持ち上げ、裏返して畝に乗せる、つる返しをすることで、不定根に養分が分散されるのを防ぎ、イモをしっかり太らせることができます。
葉や茎が茂りすぎてしまい、つるぼけが激しい場合には、リン酸やカリだけの肥料を葉面散布して、相対的にチッソの肥効を抑える方法もあります。