キクを育てていたのですが、新芽が急にしおれてきて枯れてしまいました。何が原因でしょうか。
キクを育てていたのですが、新芽が急にしおれてきて枯れてしまいました。何が原因でしょうか。
春から初夏にキクの茎の先が突然しおれだす症状であれば、「キクスイカミキリ」の被害が考えられます。成虫は体長約1㎝で、黒色で背中に赤斑点があり、触角の長い小型の細長いカミキリムシです。
4月下旬~6月ごろまで発生し、新芽の下10㎝くらいの茎を円筒状に噛み、その部分に産卵します。傷口が鋭利な刃物で切ったように約1㎝の間隔で2段できた後、急にしおれて折れやすくなります。株全体に影響が出るわけではないので、被害を受けた新芽部分を放置せず、速やかにしおれた部分より少し下で切りとって、焼却処分しましょう。
成虫は新芽の葉の間に潜んでいることが多いので、動きの鈍い朝方に見回って捕殺します。あるいは、薬剤で防除する場合は虫の活動飛来が盛んな午前9~10時ごろに殺虫剤を散布します。しかし、すぐに他所より飛来してくるので、薬剤での防除効果は完全ではありません。
茎の中で孵化した幼虫は、徐々に下の方に食い進み、株元に達して越冬します。早春には蛹化し、4~6月に成虫となり飛び出します。
キクスイカミキリは、キク科雑草のヨモギやアレチノキクなどを食草および住みかとするので、近辺の雑草をこまめに刈りとっておくことが被害の軽減につながります。
同様に、茎が萎凋したり立枯れ症状を現わす害虫に「ハスジカツオゾウムシ」があります。この虫は被害部位が株の下の方になり、茎の髄部を食い荒らし、地際部はこぶ状に膨らみ小さな穴からオガクズ状のものが排出されます。この場合もキクスイカミキリと同様に、捕殺と薬剤で対処します。