クリスマスローズでメリクロン苗というのが出回っていますが、どのような苗のことでしょうか。何か利点はありますか。
クリスマスローズでメリクロン苗というのが出回っていますが、どのような苗のことでしょうか。何か利点はありますか。
クリスマスローズの苗には実生苗とメリクロン苗があります。実生苗というのは、タネをまいて育てた苗のことで、大量にかつ容易に作ることができます。しかし、実生苗(子)は苗の個体ごとに花形や花色などの形質が異なって出る場合が多いです。
クリスマスローズの園芸品種は多くの種類と交配を繰り返し、選抜されてできたものです。そのためタネは遺伝的には均質でないので、同じ親(花)の中からとったタネで苗を作っても、親株と花形や花色といった形質に違いや個体差があるものが出てきます。
従来は親と同形質の苗を作るには株分けによる苗づくりを行っていました。この方法では株分けが可能な大株に生長するまでに年数が掛かるのと、殖やせる株数に限りがあり、市場性・採算性がよくありませんでした。
一方、メリクロン苗というのは親株の新しく伸びかけた茎頂の芽の中から1㎜以下の生長点を取り出し、無菌で培養して増殖したものです。親株とまったく同じ形質、遺伝子をもつ苗(クローン)を作ることができます。この苗を作るには特別な設備と技術が必要ですが、形質の安定した苗を短期間で生産することが可能となっています。
メリクロン苗の育苗方法が確立されたため形質のよい苗が増殖され、なおかつ廉価に供給されるようになったことが利点といえるでしょう。