ユリを育てていますが、蕾がつきません。 なぜでしょうか。
ユリを育てていますが、蕾がつきません。 なぜでしょうか。
ユリは開花期から葉が枯れるまでの間に、新しい球根に栄養分を貯め込み、肥大します。次年にこの球根の栄養分を使って生長し、花芽を作って花を咲かせます。球根が小さいと栄養分を十分に保てないことになり、花芽ができにくくなります。
翌年も花を咲かせるには球根を大きく肥大させる必要があり、そのためには次のような管理を心掛けるとよいでしょう。
① 花後の花がらはすぐに首下で切る…花後、そのままにするとタネを実らせ、株の養分を消費して株を弱らせてしまいます。
② 葉は自然に枯れるまで大事に残す…葉は光合成をして栄養分をつくる役割があるので、傷めないように残し生育させます。
③ 球根は深植えにする…ユリの根は球根の下に出る「下根」と上側に出る「上根」があります。上根が水分や養分を吸収する役目をもち、球根を肥大させる働きをします。このため球根は深植えにして上根が生育するスペースを確保するとともに、暑さや乾燥から根を守ります。一般には球根の背(高さ)の3倍程度の深さに植えます。
④ 適した環境を選んで植え付ける…ユリは種類によって日照の好みが異なります。スカシユリやテッポウユリ、オニユリなどは日当たりのよい所、カサブランカなどのオリエンタルハイブリッド系やヤマユリ、ササユリなどは半日陰の環境が適地で、特に夏場には株元に直射日光が当たって地温が高くなるのを嫌います。そのため根元にほかの植物を植えて日陰をつくったりマルチングをして、地温上昇を和らげます。このように環境が不適当な場合、株が弱ってきて球根の肥大が悪く、小さくなります。
⑤ 植え付け時期はなるべく早めにする…植え付け可能時期は10月から翌年2月です。植え付け後、まず下根を伸ばしてから上根が伸びてきます。適期内で早めに植え付け、先に下根を十分に伸ばすことにより上根の生長が早められ、その後の生育も球根の肥大もよくなります。
また、上根が伸びる所に適度な肥料があると球根の肥大を助長します。