毎年育てているバラからまったく異なる花が咲いてきました。原因は何でしょうか。
毎年育てているバラからまったく異なる花が咲いてきました。原因は何でしょうか。
バラを栽培している中で、花の色や形の違うものが咲いたり、茎葉の形質や生長の仕方に違いが現れることがあります。この現象には先祖返りによるものと、突然変異による枝変わりによるものとがあります。
先祖返りというのは、交配により品種改良が加えられたものを栽培している時に、何代か前の親株がもっていた遺伝子の形質が突然に子孫の個体に現れる現象です。元来もちあわせていた劣性遺伝子の形質が現れるもので、この変異は固定されず不安定で、もとの株よりよい花や、よい形質のものは少ないです。
枝変わりというのは、生長点の突然変異などによって、株のある枝だけに関して、新芽や葉、果実などがその個体のもっている遺伝子とは違う形質を生じる現象です。在来の変異しなかった部分と区別され、新しい形質として固定する可能性があり、バラでは枝変わりの新品種として登録・継承されています。
特に木立ち性のハイブリッドティーやフロリバンダ系の品種がつる性になった枝変わり品種としては、‘つるピース’‘つるアイスバーグ’‘つる聖火’‘つるマリアカラス’など、多くあります。ただ、軽微な色の変化や花色、花の大きさなどの変化は、開花時期によるものや気温、日照の変化といった環境による場合や、肥料の効き方によって変化が生じることもあります。
春1番の花は品種本来の、形がよく発色のよいものが咲きますが、2番花や3番花になると、花が少し小さく花弁枚数も少なくなってきます。気温の高い夏の花は花弁が十分に生長する前に茎が伸び切って花が咲くので、本来の花とはならないことがあります。また、日照時間が不足すると十分な発色をしなくなり、日照が強すぎる場合には日焼けで変色するものもあります。