バラの枝に黒い染みがあり、どんどん広がってきます。何が原因でしょうか。
バラの枝に黒い染みがあり、どんどん広がってきます。何が原因でしょうか。
ご質問の黒い染みは、一般に「キャンカー」と呼ばれる枝枯れ病だと思われます。植物の病害虫の被害は、一般に次の三要因が重なり合って発生します。
① 「主因」…病原菌や害虫そのものの存在。
② 「素因」…病害虫に侵されやすい植物そのものの状態。
③ 「誘因」…病害虫が発生しやすい環境や、病害虫を誘発しやすい条件。
さて、枝枯病の三要因ですが、まず主因については土中の糸状菌やさまざまな病原菌が関わっているので、これを取り去ることはなかなか困難です。次の素因の解消が、枝枯病の場合に一番大切なことです。つまり適正適期の剪定や肥培管理を行い、株の健全性を保つことです。そして三つめの誘因の解消も大切です。枝枯病は、主に剪定時に切断面から病原菌が侵入することが多いので、冬剪定、夏剪定、花後剪定の時に誘因を減らすことです。
まずは、すでに症状が出ている患部を剪定除去し、使用した剪定バサミは消毒します。切り口の断面が潰れないように剪定バサミは受け刃を上にして剪定し、切り口には癒合剤を塗布します。また、雨天時の土のはね返りを防ぐための敷きわらも有効です。