アジサイは土の酸度によって花色が変わると聞きます。具体的にどのようにすれば、赤や青の花色をきれいに出せるのでしょうか。
アジサイは土の酸度によって花色が変わると聞きます。具体的にどのようにすれば、赤や青の花色をきれいに出せるのでしょうか。
アジサイの花とされる装飾花(がく片)の色は、土の酸度(pH)によって変わります。一般に雨の多い日本では、空気中の二酸化炭素が溶け込み土壌が酸性に傾くため、花色は青っぽくなってきます。酸性だと土壌中のアルミニウムがイオン化し植物に吸収されやすくなり、アントシアニンという色素と結合して青色を呈し、アルカリ性ではアルミニウムは溶けにくく吸収量が少ないのでアントシアニン本来の赤系色を呈します。
青い花を咲かせるには、比較的酸度の強い無調整ピートモスなどを混合した酸性用土を用い、肥料はリン酸分の少ない、例えば油かすだけの完熟肥料を施します。赤系の花を咲かせるには、用土には苦土石灰などを混用し中性から弱アルカリ性に調整し、肥料は骨粉や魚粉が含まれる完熟油かすなどを施し、カリ分の多い肥料は避けます。
鉢栽培では花色の調整は比較的可能ですが、庭植えでは酸性土壌に傾きやすい日本ではなかなか難しいものです。青色への調整は肥料に注意するだけでコントロールしやすいですが、赤系への調整は前述のように、特に萌芽前と開花期前に苦土石灰などを施すと有効と考えます。また、花色の調整には、アジサイ専用の赤花用・青花用の用土や肥料も販売されており、これらを利用するのもよいでしょう。ただし、白花系など品種によっては、土壌酸度では花色が変化しないものもあります。