カボチャのタネをまきましたが、発芽しません。何が原因でしょうか。
カボチャのタネをまきましたが、発芽しません。何が原因でしょうか。
カボチャは発芽、生育共に高温を好みます。発芽適温は25~30℃で、適温下では4~7日程度で発芽します。しかしその温度範囲より低くても高くても、発芽は著しく遅くなります。一般地では4月上中旬にタネをまきます。まだ夜温はかなり下がることがあるため、発芽を揃えるには発芽箱を加温するか、トンネル被覆で保温します。発芽するまでに最低温度が20~25℃以下になると、発芽は著しく遅れます。「愛菜花」などの家庭用発芽・育苗器があれば、発芽と育苗も共に管理できて便利です。
発芽には温度以外に、十分な空気と水分が必要です。カボチャのタネは大きくて、水分をほかの種類より多く必要とします。気温が低くなれば、この水分吸収も遅れます。十分な水分が吸収されなければ、発芽は起こりません。またカボチャは発芽のための酸素要求量が多いので、過湿にならない管理が必要です。なぜなら十分な吸水後に呼吸が盛んになり、タネの貯蔵養分を分解してエネルギーをつくり出し、その結果として発芽が起こるからです。もし過湿であれば、酸素不足で発芽が遅れるだけでなく、腐ったりします。そこでタネまき用土としては、排水性と保水性を兼ね備えていることが重要です。そのような特性をもつタネまき用培土であれば、1週間に1回の水やりの管理でよくなります。
カボチャのタネは嫌光性があり、光が当たると発芽は遅れます。タネまき後の覆土は厚めにしますが、かたく押さえると排水が悪く過湿となります。気温が低くなると嫌光性は一層強くなります。また、発芽に適した条件なのに発芽が起こらなければ、土に何らかの問題があり、連作土壌での塩類集積が考えられます。しかしカボチャの発芽不良はほとんどの場合、温度不足か水分条件の過湿か不足によるようです。