バラの苗を買ってきたところ、しばらくしてうどんこ病が出ました。家にあるものは出なかったのに、どうしてでしょうか。
バラの苗を買ってきたところ、しばらくしてうどんこ病が出ました。家にあるものは出なかったのに、どうしてでしょうか。
バラの蕾が見え始める4月下旬ごろには、病害虫の動きも活発になります。病害の多くの主因は糸状菌(かび)とされ、誘因・素因が重なればさまざまな病害を発症します。バラによく発生する病気の一つに、ご質問の「うどんこ病」があり、多くの植物が感染する代表的な病害です。この主因も土や落ち葉に潜む糸状菌です。多くの病原菌が温暖多湿な環境を好むのに対し、うどんこ病の糸状菌は乾燥した環境で発生しやすいです。発生時期は4~6月、9~11月ごろで、雨が少なく曇天が続くような、比較的冷涼で乾燥した環境で発症します。一度発症すると空気感染でどんどん広がります。被害が進むと葉全体が粉をまぶしたように白いかびで覆われ、光合成が不十分となって生長が妨げられ、蕾につくと開花も阻害されます。
発症の誘因は、日当たりや風通しが悪い状態であったり、チッソ過多により植物が軟弱化するなどが挙げられます。どこにでも存在しうる糸状菌が原因となるうどんこ病の予防対策としては、まず、育てる環境から誘因・素因を取り除くことです。密植を避けて、枝葉が茂りすぎたら枝を整理し、日当たりや風通しをよくして適度な湿度も保ちます。敷きわらなどでマルチングをして、土のはね返りを防ぐことも有効です。また、チッソ系肥料が過剰とならないよう株の健全性を保ちます。病気が発生したら、できる限り早期発見に努め、被害を受けた葉や落ち葉は除去し伝染源を絶ち、併せて適用薬剤を散布すれば効果的です。これらを踏まえ、バラの管理について、何が誘因となったのかをもう一度、振り返ってみてください。