カボチャのキュアリングとは何ですか。
カボチャのキュアリングとは何ですか。
キュアリングとは、本来は「治療」という意味でサツマイモやカボチャでは広く行われています。貯蔵中に切り口から病原菌が入るのを防ぐため、果柄部の切り口を乾かすことにより菌の侵入を防ぎ、果実の腐敗を防ぐ処理を指します。これにより貯蔵性が増します。カボチャでは収穫後日陰で風通しのよい所に置き、7~10日間のキュアリングをします。収穫時期は果柄がコルク化したころで、縦横の両方向にひび割れが入るのが適期です。キュアリング期間は品種により異なり‘えびす’‘つるなしやっこ’では7~10日、‘ほっこり姫’‘ロロン’‘夢味’では2週間~1カ月くらいで、処理後は切り口がしっかり乾いたかどうか確認します。‘つるなしやっこ’では肉質が粘質であり、キュアリング効果は高くありません。
カボチャなど多くの果実は収穫後も成熟が続き、芳香や色、果肉の変化が起こっています。収穫直後のカボチャでは甘みがなく、追熟させることででんぷんが糖に変わって甘みが増してきます。スーパーなどでは、追熟が進んだ状態のカボチャが売られています。
キュアリング処理後は、10℃くらいの所で貯蔵します。カボチャは一般にホクホクした粉質性の高いものが好まれます。粉質性が高いほどでんぷん含量が高いのですが、貯蔵温度が高いほどでんぷんは早く減少します。そのためキュアリングを必要な期間以上に続けたり、貯蔵温度が高くなったりすると、でんぷんから糖への変化が進み甘くなります。しかし一方でホクホク感がなくなり、腐りやすくなるので注意が必要です。