ヤマモモや銀杏は雄木も植えないと実がならないのでしょうか。
ヤマモモや銀杏は雄木も植えないと実がならないのでしょうか。
ヤマモモは甘ずっぱい果実を生で食べたり、果実酒、ジャム、さらに樹皮を染料や薬用に利用するなど古くから人々の生活に溶け込んできた果樹です。また、景観樹や延焼防止の防火樹として街路樹や公園樹に利用されています。耐寒性はやや弱いですが、京都府立植物園でも直接寒風の影響を受けないような場所に植栽し、毎年実ってくれています。
ヤマモモは雌雄異株のため、ご質問の通り花粉を生産する雄木も必要となります。ただし風によって花粉が運ばれる風媒花のため、一般に3~4㎞離れた相当遠方からでも風に運ばれ受粉します。風向きなどの気象環境にもよりますが、さらに遠方からでも飛散し受粉している事例もあるといわれています。街路樹や公園樹は管理の都合上、一般的に落果しない雄木が植栽されることが多く、もし周辺にヤマモモが植栽されていれば特段受粉樹(雄木)を植えなくても結実します。
家庭で楽しむだけでなく果樹生産として栽培する場合は、安定生産のために受粉樹の混植が必要となるでしょう。ヤマモモは樹勢も強く、チッソを固定する菌と共生しており、やせた土地でも十分育ち、庭に植えたい果樹の一つです。ただし放任すると10m以上の高木となるため、芯を止めて樹高を抑える整枝・剪定が必要となります。また、銀杏の場合も同様に雌雄異株ですが、街路樹や公園樹として雄木がたくさん植栽されており、あえて受粉樹として雄木を植えなくても結実は心配ないでしょう。