バラの枝が茶色くなり、枯れてしまいました。どうしたらよいでしょうか。
バラの枝が茶色くなり、枯れてしまいました。どうしたらよいでしょうか。
バラに限らずさまざまな病害虫は、病原菌や害虫そのものの「主因」、植物の性質や状態の「素因」、病害虫が発生しやすい環境や条件の「誘因」が重なり合って発生します。枝枯れは、不適切な栽培管理なども原因となります。植物の病害の約8割が糸状菌(かび)が原因といわれ、主因となる糸状菌や細菌を完全に断ち切ることは困難です。できる限り素因や誘因を減らし、主因が活発に活動するきっかけをつくらないことが病害虫の発生防除につながります。
バラの枝枯れでまず考えられるのは、糸状菌を主因とする枝枯病です。防除としては、適期の剪定や肥培管理による株の健全性の保持、剪定時に切り口へ癒合剤を塗布するなど、素因・誘因を除くことです(2018年1月号のQ&Aでも紹介しました)。
枝の途中から枯れている場合は、健全な部分まで戻って切除し、癒合剤などを塗布します。また、株全体が枯れてしまっている場合は、根の状態を確認してください。不適切な栽培管理や根に発生する病害虫により、障害が発生していることが考えられます。根の表面に白い菌糸(糸状菌の一種)がまとわりついているようなら白紋羽病が疑われます。未分解・未熟な有機物がこの菌を増殖させ、樹勢が弱っている場合に発病しやすくなります。コガネムシの幼虫による根の食害も枯損の原因となります。成虫は夏に産卵するので見つけ次第、駆除しましょう。鉢植えでは、マルチングなどで土の露出を減らすことも産卵防止には有効です。
栽培管理は、培地の水はけが悪く常に過湿な状態は根腐れを起こし、肥料過多も濃度障害を起こし根に障害が発生します。つまり、いずれの場合にも土づくりや適正な栽培管理ができていないことが誘因であり素因となります。