一般家庭で果菜類の育苗は難しいでしょうか。
一般家庭で果菜類の育苗は難しいでしょうか。
一般家庭でも果菜類の育苗はできますが、専業農家のような早期出荷を考えずに適期栽培をします。果菜類は発芽や生育・開花・結実に20~30℃の高温を好むため気温が上昇する5月中下旬に植える育苗ならできます。問題点はタネをまく3月中下旬の気温変動が激しく、特に夜温がかなり下がるため保温か加温し、最低15℃を保ちます。昼温が20℃程度あれば、夜温を15℃より高くするほど、発芽は早まり発芽揃いもよくなります。ビニールハウスかトンネル内で播種箱かセルトレイを「農電園芸マット」などの温床マットに乗せるか、「愛菜花」などの家庭用発芽・育苗器に入れて育苗します。育苗数が数株ならポットで、数十株ならセルトレイで、苗数が多い場合は播種箱を使います。
発芽と初期生育は昼夜一定温より、夜温が昼温より低い変温管理の方が生育はよくなります。そこでタイマーで昼夜変温管理できる加温器が便利です。タネまき用土には排水性、保水性がよく清潔な土が必要で、「タキイたねまき培土」などが便利です。水やりはタネまき時にたっぷりやれば、発芽までよほど乾かない限り不要です。発芽後は夜温を徐々に下げ、定植前には戸外の温度に慣れさせます。日中は高温になるため水やりと換気をして、徒長を防止します。
タネまき時期を守るのも重要で、定植時期から逆算しタネまき時期を決めますが、育苗日数は種類により異なります。トマトは約60日、ナスは約80~90日、キュウリ、カボチャは約40日、スイカは約50日で、それを考慮します。