ピーマンとトウガラシを一緒に植えるとよくないと聞きますが、本当でしょうか。
ピーマンとトウガラシを一緒に植えるとよくないと聞きますが、本当でしょうか。
ピーマンとトウガラシを一緒に植えるとよくないといわれるのは、近縁の種類なので交雑が起こり、辛みが移るのではないかと思われているからです。近くに植えると交雑は起こりますが、その影響は種子の中に起こるだけで、植物体や果実に影響することはありません。だからトウガラシが辛みを失ったり、ピーマンが辛くなることもありません。
トウガラシの花粉がピーマンの雌しべについて受精する際、花粉の雄核は分裂し、2核になっています。一つの雄核は子房にある胚珠の卵核と受精して胚を作り、残りの雄核は極核と受精して胚乳を作り、胚珠が種子になります。また、胚珠を含んだ子房が、果実になります。果実の食べる部分は果肉で、交雑の影響はありません。雑種になった影響として、その種子をまいて育った次代の植物では、辛い果実ができる可能性はあります。
交雑の影響は胚乳に現れることがあり、これをキセニアといいます。トウモロコシやイネなど種子の胚乳を食べる場合には悪影響が現れる場合があります。トウガラシの辛み成分であるカプサイシンの大部分は、種子がついている基部の胎座と呼ばれる綿状部分に含まれます。辛みのないシシトウガラシなどでも、栽培中に高温、乾燥、水分ストレスなどがあると、辛くなることがありますので、気をつけましょう。