スモモの開花後、たくさん実がつきました。全部育ててもよいのでしょうか。
スモモの開花後、たくさん実がつきました。全部育ててもよいのでしょうか。
スモモはバラ科の落葉中高木の果樹で、日本でも古くより栽培されてきました。近年、日本で果樹として栽培されているスモモは、ニホンスモモとヨーロッパスモモに大別されます。一般にスモモといえばニホンスモモ(プラム)を指し、プルーンと呼ばれるものはヨーロッパスモモの中の乾果に適する栽培品種群の総称です。スモモは、モモに比べ酸味が強いことが和名の由来で、市販されているスモモは早どりされているため、酸っぱいイメージがありますが、完熟果は果汁たっぷりで甘く深い味わいがあります。耐寒性はモモに比べ強く、高温乾燥にも強いので、北海道から九州までほぼ全国で栽培可能です。
たくさん果実がついた場合、より大きくて甘い果実を収穫するには摘果が重要な作業となります。スモモは幼果のうちの生理落果が非常に多いので、開花後30~40日、受精した果実の生育が確実になる親指大の大きさになったころに行います。摘果は、虫の食害にあったものや奇形果、上向きについたものから摘果し、最終的に枝の長さ10~15㎝につき1果程度残していきます。収穫は、果皮全体が色づき、やわらかくなったころが適しています。
また、冬場の剪定も大切な作業となります。前年に伸びた長果枝(約20㎝以上)、中果枝(15~20㎝)、短果枝(約15㎝以下)に葉芽と花芽がつきますが、長く伸びた長果枝にはほとんどよい果実はつけません。短果枝によく果実をつけるので、長果枝は先端から3分の1程度切り戻します。それにより、翌年に花芽をつける短果枝を多く発生させることにつながります。