ニンニクを収穫しましたが、鱗片ができておらず、タマネギのように1つ玉になります。なぜでしょうか。
ニンニクを収穫しましたが、鱗片ができておらず、タマネギのように1つ玉になります。なぜでしょうか。
ニンニクの球は通常、8~10個の小球が分球しています。これは、定植したタネ球がある程度成長して花芽ができると、その後基部のわき芽が発達して、いくつかの小球ができてくるからです。
ところが、小さな球をタネ球として植えたり、まだ低温期の春に植えたりした場合には、栄養状態が十分でないことがあります。このような十分に成長できないタネ球では、茎頂に花芽ができにくくなり、わき芽もできず小球ができなくなります。ニンニクは通常では4月ごろに、気温が上昇し日長が長くなることにより、球が肥大してきます。したがって十分に成長できなかったタネ球では、茎頂はいっそう花芽ができずに葉を分化するようになり、球の形成と肥大が進みます。
このようにして分球できなかったタネ球は、一つの球となって肥大します。これは中心球あるいは1つ玉球と呼ばれます。このような1つ玉球ができると、分球数が少なくなって減収となります。
そこで低温に十分に当たって花芽が作られるよう、植え付け時期に遅れないことが、まず重要です。次いで、施肥量をきちんと守って土壌に混ぜ、そこへ十分な大きさの充実したタネ球を植え付けることが必要です。