冷凍ユリを毎年購入していますが、うまく芽が出ません。発芽を成功させるには、どうすればよいでしょうか。
冷凍ユリを毎年購入していますが、うまく芽が出ません。発芽を成功させるには、どうすればよいでしょうか。
一般的にユリの球根は、10~11月の秋に植え付けます。冬の寒さに当たって目覚め、春の暖かさで芽が出始めて成長し、6~8月に花を咲かせます。冷凍ユリとは、そのような性質を利用し、球根をマイナス1 ・5~マイナス2℃の温度で氷温貯蔵することによって生育を抑制したものです。もともとこの技術は、切り花を年間通して安定生産するために生まれました。芽が出てくる時期を本来の時期よりも半年以上遅らせることが可能で、夏に植え付け、秋に花を楽しむことができます。
冷凍ユリを購入すると、少し芽が出た状態の球根がお手元に届くのではないかと思います。これは、すぐに植え付けることが想定されているからです。球根は徐々に温度を上げて解凍処理がなされ、生育を開始する状態になっています。そのため、到着後は遅くとも2日以内には植え付けてください。特に夏の暑い時期に植える場合などは、生育に合わせて置き場所が変えられるよう、鉢植えにするのがおすすめです。
植え付けは、生育に非常に重要となる上根が十分張れるように、球根2個分の深さをあけて植え付けます。気温が高い時期の植え付けに際しては、根を傷めてしまうので、元肥を入れずに追肥でカバーします。
本来ユリは、風通しのよい明るい場所を好みますが、夏の猛暑や残暑は不適です。そのため、植え付け後は風通しのよい日陰で管理しましょう。芽が10㎝程度伸びてから、徐々に日光に当てて生育させます。冷凍ユリは夏から秋に栽培するため、ユリ本来の生育・開花時期よりも日照時間が短くなります。花つきをよくするには日当たりをよくするよう、十分な配慮が必要です。