アジサイは成長が早い植物です。植え替えをしないと根が鉢中に回り、根づまりして水切れを起こしたり、生育や花つきが悪くなったりします。少なくとも２年に１回程度は植え替えが必要です。３年も植え替えないと根が回ってガチガチの状態になり、鉢底穴から根が突き抜け、地面に根を下ろしてしまいます。

　植え替えの適期は、ほかの落葉樹と同様に、落葉し休眠期に入る11月～翌年３月です。ただし厳冬期は避けます。寒地では寒さで根が傷まないよう、３月に入ってから植え替えます。まず根鉢を一回り崩し、一回り大きい鉢に植え付けます。根の状態がよい株ほど根が回っており、崩して植え付けないと根鉢の外側に新たに根が伸びていきません。

　開花株を購入した場合は、花を楽しんだ後すぐに剪定し、植え替えてください。花の終わりのサインは、装飾花が裏返った時です。販売されている株は樹高が低く抑えられ、花がたくさんついた状態になった小さめのプラスチック鉢が多く、根づまりします。そのため、根鉢を崩し、プラスチック鉢ではなく、一回り大きい駄温鉢に植え替えてください。鉢植えから庭に地植えする場合も同様の時期に行います。

　栽培環境は日陰の印象がありますが、本来は日光を好む植物です。西日の強光は避けて、半日以上日が当たる場所が適しています。ただし、ヤマアジサイは日当たりがよすぎると葉焼けするので、自生地の環境に近い半日陰が適します。いずれのアジサイも水を好むので、水切れには注意が必要です。