カキの実が収穫前に落ちてしまいます。何が原因でしょうか。
カキの実が収穫前に落ちてしまいます。何が原因でしょうか。
カキの実が6月中旬~7月中旬に落果するのであれば、それは「生理落果」と呼ばれるものです。生理落果とは、樹体の健全性を維持するために、樹木自体が着果数を自然調節する淘汰現象といえます。生理落果の主な原因の一つは、受粉の不良があります。品種により差は大きいですが、もともとカキは雌花しかつけない品種が多いです。受精しなくても果実をつける「単為結果性」が強いものが多いですが、未受粉で種子ができなければ落果しやすくなります。受粉をより確実にするためには、雄花もつける品種(受粉樹)の植栽が必要となります。
次に、長雨や曇天続きによる日照不足も生理落果の原因となります。日照をコントロールするのは困難ですが、適正な整枝・剪定をすることにより、日当たりのよい樹形環境を作ることも大切な作業です。さらに摘蕾・摘花により着果過多を防ぐことも重要です。
葉15~20枚につき、1果程度を残すのが目安です。カキは、実のよくなる年と実がつきにくい年が1年おきにくる「隔年結果性」が強いです。適正な摘蕾・摘花作業は、隔年結果を抑制することにもつながります。
また、8月上旬~10月下旬の落果は「カキノヘタムシガ」による被害が疑われます。ヘタを枝に残したまま落果し、ヘタの部分に食入痕があるので、生理落果とは区別できます。幼虫は年2回発生します。1回目の幼虫に対する防除は6月上旬と下旬の2回、2回目の幼虫の防除は8月上旬と下旬に適応薬剤を散布します。