ベニカナメの葉に黒い斑点がたくさんついてしまいました。どうすればよいでしょうか。
ベニカナメの葉に黒い斑点がたくさんついてしまいました。どうすればよいでしょうか。
ベニカナメは、春の新芽が赤く美しく、刈り込みにも強くて育てやすいため、生け垣などによく使われている景観木です。そもそもベニカナメは、本州中部以南の暖地に生育するカナメモチのうち、特に新芽の紅が強いものを選抜した品種です。最近では‘レッドロビン’と呼ばれるカナメモチとオオカナメモチの交配品種がよく植栽されています。この品種は一般的なベニカナメよりも紅が強く、剪定をすれば季節を問わず真っ赤な新芽が出てきます。
さて、葉に出た黒い斑点は「ゴマ色斑点病」か「褐斑病」が疑われます。これらはさまざまな樹木に感染するやっかいな伝染病で、主因はさまざまな病気の原因となる糸状菌(かびの仲間)です。病気が進行すると斑点はだんだんと大きくなり、葉が紅色や黄色に変色し、やがて落葉します。そのため樹勢も衰え、被害が激しくなると枯死に至ることもあります。病気は糸状菌の胞子が風や雨、雨による土壌のはね上がりで伝染します。
病気と疑われる症状を確認したら、被害を受けた部分は枝ごと剪定し、感染した落ち葉も早期に集めて処分し、感染源を絶つことが第一です。病原菌は感染部分で越冬するので、冬季も継続して株の周りの清掃に努めましょう。
次に、風通しや日当たりを確保し、糸状菌が繁殖しやすい環境をつくらないことも非常に大切です。被害が広がりやすい梅雨期や秋口の長雨が続く時期を中心に、透かし剪定や株元の落ち葉掃除、除草を行います。薬剤で防除する場合は適用薬剤を確認しましょう。