クルミを植えたいのですがどこでも栽培可能でしょうか。木の高さはどれくらいになりますか。
クルミを植えたいのですがどこでも栽培可能でしょうか。木の高さはどれくらいになりますか。
一般にクルミといえば、果実が食用とされるクルミ科クルミ属とその栽培品種の総称です。日本に自生するのは、北海道から九州まで分布するオニグルミとヒメグルミです。どちらも食用となりますが、結実量も少なく栽培には不向きで、山野に自生するものからの収穫に限られます。長野県や青森県、山形県などで栽培されているのは、西洋グルミともいわれるペルシアグルミや、ペルシアグルミの変種とされるテウチグルミ、ペルシアグルミとテウチグルミの自然交雑種からの選抜品種であるシナノグルミや、これらの改良品種です。
まず、どこでも栽培可能かどうかについては、庭木としての観点でいうと、日本の野生種と同様に、かなり幅広い地域で栽培は可能です。収穫を目的として栽培したいということなら、産地が長野県などであることからも分かるように、冷涼で降雨の少ない地域が適します。寒さには非常に強いものの高温には弱く、開花結実には一定の寒さが必要です。そのため、無霜地域で栽培はできますが、開花結実はあまり期待できません。
木の高さは、いずれのクルミも高木性で、ペルシアグルミは成長すれば20~30mの樹高となります。また、クルミは雌雄同株で自家結実性ではありますが、雌花と雄花の開花時期がずれる、いわゆる「雌雄異熟」です。この性質が結実不良の原因にもなり、果樹として植栽するならば、人工授粉を行うか、品種の異なる受粉樹を混植することも必要となってきます。