ウメの花つきがよくありません。いったいどうしたのでしょう。
ウメの花つきがよくありません。いったいどうしたのでしょう。
ウメは中国原産のバラ科の落葉高木です。日本への渡来は西暦700年ごろとされ、実を取るためや、花を観賞するために古くから栽培されてきました。万葉集ではウメを詠んだ歌が119首あり、サクラの40余首の約3倍と、大きく上回っています。このころの貴族などにとって、中国文化の影響を受けたウメの観賞が初春の大切な風物詩であったことがうかがえます。
さて、花つきがよくない原因は、剪定をどのように行ったかがポイントと考えられます。「サクラ切るバカ、ウメ切らぬバカ」とよくいわれますが、ウメであっても常に枝を切っていては花がつきません。今年伸びた枝に、来年に咲く花芽がいつできるのかを考えて、剪定する時期や強さなどを決めることが重要です。
通常、ウメの剪定は、開花後の3月ごろに長い枝や徒長枝を短くする「花後剪定」と、6月ごろに日当たりや風通しをよくする「夏季剪定」、そして落葉後の12月ごろに樹形の骨格を作り、無駄な枝を取り除く「冬季剪定」の三つがあります。地域や品種によっても前後しますが、花芽ができる時期は7~8月ごろですので、花つきに影響が出やすい夏季剪定と冬季剪定は特に注意が必要です。
具体的には夏季剪定が遅くなると、剪定後の芽が充実せず、花芽になりません。つまり、剪定の時期が遅れないことが重要となるのです。また、冬季剪定での過度な剪定は、せっかくできた花芽を減らすことになります。花芽は大きく、葉芽は小さめなので外見から区別できます。必ず花芽を確認し、不要な枝を間引く程度の軽い剪定を心掛けましょう。