フクジュソウの蕾は黄色く色づいていますが、花が咲きません。何が原因でしょうか。
フクジュソウの蕾は黄色く色づいていますが、花が咲きません。何が原因でしょうか。
フクジュソウは、北海道から九州にかけての山林に分布するキンポウゲ科の多年草です。漢字では福寿草と書き、「福」や「寿」など、新春を祝うおめでたい名前がついています。また、初春に花を咲かせ、夏になると葉などの地上部が枯れ、それから翌年春までは地下で過ごす典型的な春植物(スプリング・エフェメラル)です。
さて、蕾が黄色く色づいているにもかかわらず、開花しない原因として考えられることの一つが日照不足です。フクジュソウの花は花びらを使って日光を花の中心に集め、その熱で花粉を運んでもらう虫を誘引しています。そのため、花は日光に当たると開き、夜間や曇りの日には開きません。このような性質から開花期である初春の2~3月ごろは、できるだけよく日の当たる場所で育てましょう。特に鉢植えを室内で管理している場合、日当たりが悪い場所だときれいに花が咲かないので、置き場所に注意します。開花期には窓辺など、日当たりのよい場所に移動させてください。
もう一つ原因として考えられることは、乾燥です。フクジュソウの蕾の表面は薄皮で覆われています。この薄皮が乾燥してしまうと、蕾が色づいていても開花しないことがあります。暖房などによる乾燥した室内で管理している場合に起こることがあります。もし薄皮が乾燥してしまった場合は、花を傷つけないように、細心の注意を払い先端の細いものでつついて薄皮を破ると花が咲きます。
以上、日当たりと乾燥に気をつけて春を告げるきれいな花をぜひ咲かせてください。