冬場、室内でクンシランを育てていましたが、春になっても咲きません。どうしてでしょうか。
冬場、室内でクンシランを育てていましたが、春になっても咲きません。どうしてでしょうか。
クンシランは、南アフリカ原産で森林の半日陰に自生するヒガンバナ科の多年草です。そのため、強い光や過湿には弱く、日差しが強すぎると葉焼けを起こし、水を与えすぎると根腐れを起こすので注意が必要です。豪華な花で早春を彩るクンシランは、日本にはヨーロッパを経由して、明治時代に渡来したといわれています。ヨーロッパでは花を楽しむとされていましたが、日本では当初、オモト(万年青)などと同様に葉の美しさを楽しんだことから、古典園芸植物に分類されています。
春になっても花が咲かない原因については、次のようなポイントが挙げられます。
①日照不足に注意:葉焼けを起こしやすいので直射日光を避けて栽培しますが、暗すぎると花芽がつきにくくなります。過度の遮光には気をつけて、真夏で50%程度の遮光を目安にしましょう。
②開花には寒さも必要:秋から冬にかけて60日程度、10℃以下の気温にあわせることで花芽が伸びます。秋は霜が降りる直前まで屋外で管理しましょう。室内に取り込んだ後も暖房のない場所を選ぶなど、寒さに当てることが重要です。なお、最低気温は5℃以上を保ちましょう。
③根づまりも要因に:何年も植え替えをしないと、鉢の中で根が充満した状態になっている場合があります。順調な生育を妨げることになるので、必要に応じ植え替えや株分けをしましょう。4~5月が適期です。
④水のやりすぎは禁物:根腐れの原因になります。鉢土の表面が乾いたら、たっぷりと与えましょう。また、葉の間に水がたまると軟腐病などの原因になるので、株の上から水をかけずに、鉢土に直接与えましょう。
以上を参考に、豪華な花を咲かせてください。