クンシランの根元がグチュグチュして茶色く変色しています。この株はもうだめでしょうか?
クンシランの根元がグチュグチュして茶色く変色しています。この株はもうだめでしょうか?
クンシランの根元が侵される病気としては、軟腐病と白絹病があります。いずれも罹病株は枯死に至ることが多いので、最も注意すべき病気です。
軟腐病は細菌による病気で、蒸し暑い日が続く6月以降に、通風の悪い場所で発病しやすく、株元がゆであがったように軟化して腐臭を発するのが特徴です。株元の半分くらいが軟化している場合、株が回復したためしはなく、病株は焼却処分します。病株と接触の恐れのある株や発病の疑いがある株は、抗生物質ストレプトマイシンを主成分とした殺菌剤マイシンS300倍液をまず根元に十分散布し、その後も一週間おきに3~4回、防除のために散布します。
白絹病は、梅雨明けから夏にかけて発生しやすく、水はけの悪い場合や、葉が茂りすぎた場合にかかりやすい傾向があります。この病気にかかると、株の地際部や根に白い糸状のカビがからみつきます。やがて菌糸が地面に放射状に広がるとともに、褐色の粟粒状の菌核(菌糸の塊)がたくさんできます。病株は根元が腐敗し、葉はしおれて枯死します。さらに、菌核は土の中に残留し、越年して伝染源となります。
病株の処置は、株を鉢ごと焼却するのが最良です。焼却処分ができない時は、ほかの植物と隔離して深く埋めるなど、菌核の行方にも気をつけることが必要です。
薬での予防は、6月ごろから定期的に10~15日おきにロブラール水和剤500倍液を、株元と鉢土にジョウロで散布します。
また、発病させない用土選びも大切です。実生3年程度の若い株では、赤玉土に腐葉土3割くらいの混用土が生育に適しますが、成株の植え土は腐葉土の混用を避け、赤玉土(硬質・中粒)単用で栽培する方法をおすすめします。