クチナシが満開になりましたが、黒く小さい虫が多数花芯についています。防除の方法を教えてください。
クチナシが満開になりましたが、黒く小さい虫が多数花芯についています。防除の方法を教えてください。
真っ白な花に黒い小さな虫がついているのはとても気になります。その虫の正体はアブラムシか?とも考えられますが、まず間違いなくアザミウマだと思います。スリップスとも呼ばれている、体長1・5~2㎜の細長く微小な昆虫で、成虫は羽を持っていて飛翔も可能です。狭い範囲をスルスルと滑らかに移動する行動が特徴で、動きのないアブラムシと容易に区別できます。
アザミウマの種類は大変多く、体の色も黒褐色、褐色、黄色など、種類により固有の色があります。葉や茎、花芯などの組織内に産卵し、ふ化したばかりの幼虫は白または黄白色です。蛹のうちは浅い土中で過ごしますが、成虫が植物に寄生する部位は種類によって決まっていて、花に寄生するもの、新芽や葉に寄生するものがあります。
アザミウマ類は吸汁性で、新芽や葉の裏面、花びらや子房などを口器で傷をつけ、その傷口から出る液を吸い取ります。被害葉は、緑色が抜けて白くカスリ症状となり、新芽では萎縮し変形します。ナスやトマトなどの果菜類の花では、子房に傷がつけられ、生育した果実が著しく汚れるなどの被害を受けます。
クチナシの開花期は、アザミウマの活動最盛期と合致します。一重咲きでは花芯の周囲、八重咲きでは花びらの重ねのすき間などが生息場所で、花びらを傷つけて養分を吸い取ります。寄生する数が多いと花の寿命は短くなってしまいます。
防除にはオルトラン水和剤1000倍液が有効ですが、手軽に駆除したい時などはモスピランスプレーやオルトランのエアゾール剤が便利です。