デンドロビューム・ノビル系を育てているのですが、葉のついている茎には蕾はついておらず、少ししおれかかっているような茎にのみ蕾がついているように見えます。どういう順序で蕾がつくのでしょうか?
デンドロビューム・ノビル系を育てているのですが、葉のついている茎には蕾はついておらず、少ししおれかかっているような茎にのみ蕾がついているように見えます。どういう順序で蕾がつくのでしょうか?
デンドロビューム・ノビル系の生育の特徴は、毎年春に株の基部から新芽を出し、その芽は初夏から秋にかけて7~8枚の葉を交互につけながら茎(バルブ)を伸ばします。茎は伸びが止まると太りだし、秋の終わりごろには太くしっかりとしたものになります。ちょうどそのころ、前年生まれのバルブは葉色が少し退色ぎみになり、やがて黄変して落ち、ついにはすべての葉がなくなり、棒状になります。
花芽は、冬から春にかけて葉の落ちたバルブの節に生じます。つまり花は前々年に育った茎に咲くことになります。ただし、多くの品種の中には、当年できたばかりのバルブに花をつける例外もあります。また、時には花芽ではなく、葉と根が発生する高芽と呼ばれるものになることがありますが、これは栽培上の失敗です。一般的には春に芽を出した若芽は、翌年の秋までの約20カ月間で花芽がつく充実したバルブに成熟します。
デンドロビューム・ノビル系は、生長期に当たる5~10月の間は必ず戸外で栽培し、1日6時間程度は直射日光の当たる場所に置き、しっかりした株作りをしておきます。生長が進むに従い、必要な水分量も多くなりますので、夏場は乾きすぎないように気をつけます。
肥料は5~7月末の間だけ与えますが、ハイポネックス1000倍希釈液を週に1回程度施し、さらに油かすの置き肥を少量併用するのもよいでしょう。8月以降も肥料を与え続けると生長はよいのですが、高芽が出やすくなります 。
秋になり霜が降りる直前までは、戸外で日光によく当てて栽培しますが、水やりの回数は、11月は週1回、12月は10日に1回と減らしていきます。霜に当てないよう頃合いをみて室内に入れ、夜温が6~7℃になる場所に置くようにします。室内では、水やりも15日に1回くらいと乾かしぎみに管理します。バルブに少し縦じわが入りますが、この状態は花芽の発生に向いています。
3月に入りますと、暖かな場所に移すのがよく、水やりも週1回から3日に1回と、順次回数を増やすと、4月ごろに開花します。
なお、花が咲き終わったバルブは、再度花をつけることはありませんが、切りとらずに残しておきます。これをバックバルブと呼び、このバルブが保有する養分は若い芽の生長に役立ちます。
年末近くになると、デンドロビューム・ノビル系の花つきの鉢物が、フラワーショップの店頭にたくさん出回りますが、その鉢物のすべては、専門の生産業者により促成栽培(開花を早める栽培)をして出荷されたものです。一般の家庭での栽培は、3~4月の開花となります。