タキイネット通販TOP > Q&A > 花に関するQ&A > 鉢植えで育てていたクチナシを庭に植え替えたところ、蕾が次々と落ちてしまいました。何がいけなかったのでしょうか?
タキイネット通販TOP > Q&A > 花に関するQ&A > 鉢植えで育てていたクチナシを庭に植え替えたところ、蕾が次々と落ちてしまいました。何がいけなかったのでしょうか?
花に関するQ&A

鉢植えで育てていたクチナシを庭に植え替えたところ、蕾が次々と落ちてしまいました。何がいけなかったのでしょうか?

鉢植えで育てていたクチナシを庭に植え替えたところ、蕾が次々と落ちてしまいました。何がいけなかったのでしょうか?

FacebookTwitterLine

ご質問の株は、植え替えられた時期や、鉢植えとして何年経っているのかなどが不明ですが、内容から推定すると、鉢植えで少なくとも2年以上育てられた株で、移植の時期は蕾がかなり発達し開花を間近にしたころとしたうえで、蕾が落ちた原因を考えてみます。

 鉢植えのクチナシについては、「開花を目前にして蕾が落ちる」「花つきの鉢植えを買ってきて、香りを楽しむため室内に置いたところ、咲かないうちに黄色くなってしおれてしまう」などの異変を見聞きすることがあります。長年庭に植えられている株では見ることのない現象です。

 開花期の鉢植えに起きる落蕾は、鉢土の乾きが原因でよく発生します。また、栽培環境が変わると開花に影響が現れます。そこで、蕾がついた鉢植えを、庭に移植した場合に当てはめてみると、以下のことが原因と考えられます。

 鉢植えという限られた容量の用土では、根は鉢の中に充満し、常に乾きぎみの状態に適応して生育しています。一方、クチナシの花期は梅雨期に当たります。この季節に湿潤な露地の庭に移植した場合、これまでの生育環境とは大きく異なってしまいます。新しい場所で根づいて生長するためには、蕾が開花することは、植物にとってただ負担となるだけです。ご質問のケースはほかの植物でもまれに起きる「花振るい現象」(※蕾が発育の途中で脱落する一種の生理障害)が起きたと考えられます。つまり移植のタイミングがよくなかっただけなのです。やがて正常に戻りますので、来年の開花は大丈夫です。

クチナシの最も安全な移植適期は、新芽が出始める直前の3月下旬~4月上旬で、この時期は蕾がまったく見えませんが、充実した枝の頂部には花芽分化をした部分が見られます。

クチナシは元来温暖を好む常緑性の花木で、低温に向かう秋と、最も低温の冬期間は移植には不適です。また、植え替え場所としては、腐植質に富む肥沃な土壌で、半日陰地がよく、庭植えでは、1日中直射日光を受けて乾燥しやすい場所よりは、午後になると日が陰るような場所を選んで植え付ける方が、葉色が艶やかに美しく生育します。

なお、春の移植適期を逸した場合は次善の策として、花は鉢植えで楽しみ、花後すぐに植え替える方法をとります。 月刊誌Q&A 花

ページトップへ